KAITO短編集

受験勉強ｂ ページ3

気づくとテキストエディターを取り出して、続きを書いていた。

「マスター、もう勉強飽きたんですか？まだ3時間も経ってないですよ。しかもついさっき教科変えたばかりですよね？」

カイトが珍しく冷たい。

「マスターが僕に気にかけてくれるのは嬉しいですけど、気にかけすぎてマスターが落ちるなんて嫌ですからね。」

あぁ、Lily姉さんが言っていたとおりだ。

カイトが可愛すぎて、受験勉強しようにもどうしてもカイトのことを考えてしまって何も手に着かなかった時のことだった。

もう、このままじゃわたしどうしたらいいんだろう。
「アンタねぇ、落ちたら嫁に顔向けできないでしょーが！」

はっとした。

「本当に、合わせる顔がない、って状況になりたいわけ？」

「アンタが落ちたとして、あいつが喜ぶわけないだろ？」

「まさか、カイトに気を奪われすぎて勉強できなかったとか、あいつのせいにするわけじゃないでしょうね！？」

ない、それだけは嫌だ。カイトは悪くない。

「じゃあ、アンタがしっかりする他はないでしょ？」

はい。

「だから、僕のことはほんの気分転換くらいにしておいてくださいね。僕だって、マスターだから我慢するんです。だから、マスターも頑張ってください。そうじゃなきゃ僕が嫌です。とりあえず、お茶ここに置いておきますからね。」

これだけ支えられているのに、いい加減にやるわけにはいかないよな。ありがとう。

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