KAITO短編集

受験勉強a ページ2

うぁあああっ！くそっ！
なんで熱化学になるとことごとく全部数値が違うんだよ！
熱力学なら得意なのに…式の立て方が悪いのか？
解答解説を見ても、やり方自体が間違っているようには思えない。

1.0x10^5hPa x 0.246L=0.28/M x 8.3x10^3 x100K

M=9.4…

しかし答えはM=28
どういうことだ。電卓で計算したって9.4…じゃないか。

100K？
27℃だったよな？
100Kってめちゃくちゃ寒くないか！？

0K=-273℃
273K=0℃
273K+27K=27℃

27℃=300K

うぁああああああああああ！
馬鹿か！私どこまで馬鹿なんだ！100Kとかただの私の理想じゃないか!

つまり、今までのはすべて、こんな凡ミスだったってことかよ！

あぁ、アホにもほどがある。

「マスター、大丈夫？コーヒー、入れてきたけど。」
「え、あ、うん。大丈夫だよ。ありがとう。」

コーヒーを渡してくれたカイトの笑顔が天使すぎて、ついでに私が馬鹿すぎて、なんだかとても恥ずかしくなってしまった。

「マスター？」
「大丈夫、大丈夫だからねっ！？」
「そう？でも僕マスター心配だから一緒にいる。」

そういってカイトが隣に座る。どうしよう。逆に集中できない…

「すぴー…すぴー…」

寝てるし！心配なんじゃないんかい！
ったく、寝顔まで天使かよ…

密かにカイトの寝顔をカメラに収め、私はまた受験勉強を再開したのだった。

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