ピエロの師匠はやっぱりアレな人でした。

ピンチ ページ41

ユ「…っ、なんでっ、当たんないのよっ!!」

ハアハアと息を切らせて鞭を振り回すユリナス。

それを汗すらかかずにのんびりと、欠伸までして避け続けるA。

『遅すぎるんだよ、君の鞭』

ユ「キイーーーッ!!!!絶っっ対ぶち殺す!!!」

更に大きく鞭を振るう。

しかし、軌道を全て読んでいるかのようにサラサラと避ける。

レ「…すげぇ…」

ク「あんな狭いリング上で鞭の攻撃を避けるのは至難の技だ。…それだけ、彼女が戦い慣れしていると言うこと」

ゴ「すごい…!」

キ「…親父が言ってたのはマジだったのか」

ギャラリーの感嘆と怯えの混じった声を聞き、避けながら振り向いて慣れた仕草でウインクして手を振るA。

それに更に激昂するユリナスをからかうように親指を立てる。

『そろそろ殺っちゃってもいいかい?飽きてきちゃったよ』

ユ「そうは…ぜえっ、させないわよおっ!」

その言葉を皮切りに、鞭をぶん投げるユリナス。

それもすらっと避け、立ち止まる。

『ん〜〜、もうお終い?つまらないねぇ』

ザッ、ザッ、とわざと足音を立てて近づいて行く。

そんな彼女に、ニヤリと不快な笑みを向けた。

ユ「引っかかったわねえっ!!!」

ぐっ、と右手を引く。

すると、彼女の背後から落ちた筈の鞭が襲いかかる。

『しまっ…』

反応して身を捻るも、足に掠ってしまった。

わずかに彼女の黒衣に紅が滲む。

ユ「ほーっほっほっほっ!!!こぉんな単純な手に引っかかるなぁんてねぇ!!」

手を口元に添えて、盛大に高笑い。

『掠っただけで何を…っ…!?』

立ち上がろうとした彼女が、膝から崩れる。

手を地について、全身倒れこむのは阻止したが、体が痙攣してまともに動かないのが、医者志望のレオリオには分かった。

ユ「痺れ薬と筋弛緩剤のミックスよ!動けないでしょぉ?」

『ぐっ…』

歯を食いしばるAに対し、勝ち誇った笑みを浮かべて近づいて行くユリナス。

ユ「どうしてやろうかしら?服破って慰み者にしてもよし、普通に拷問してもよし…うっふふ、楽しみだわぁ!!」

Aの髪を鷲掴みにして上を向かせるユリナスを悔しげに見るゴン達。

の、心配を裏切るように


『なーんちゃって♥︎』


彼女は、ペロリと舌を出して見せた。

逆転、当然→←逆恨み

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