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［潤side］
翔にぃのお腹に
ギュッと抱き着いていたら、なんだか少し落ち着いて
きた気がする。
翔「検査結果のこともさ、心配だと思うけど
みんな付いてるから。な？」
「…ん」
普段とはまた違う、すごく優しい声で話しながら
髪の毛にそっと触れてくれて…
「…ん、…んばる」
翔「ん、頑張るのは少しだけでいいから」
「…ん」
翔にぃのお腹でもう一度グリグリと涙を拭いて
顔を上げたら「お前は頑張り過ぎ」って。
残っていた涙を指でサッと拭ってくれた。
強がり過ぎてしまうのは俺の悪い癖。
ほんとは、まだまだ兄貴たちには甘えたいって
思ってるんだけどね…
翔「よし、そろそろ準備しようか」
「…ん」
翔「はは！大丈夫、何も心配いらないから」
「…ん」
翔にぃがいっぱい優しくしてくれるから…
「…手」
翔「ん？」
「…手、繋いで…欲しい」
素直な言葉が出た。
翔「ん、もちろん。検査中はずっとここにいるし、
手も繋いでるから。安心して」
「…ん、…っ、ん…」
翔「大丈夫だから。な？もう泣くな…」
溢れてきた涙は、今度は安心の涙。
もう大丈夫って思えたから…
そのお陰で、検査台に仰向けになっても、心臓の
ドキドキはいつも通りだった。
［翔にぃside］
「始めてもらうな？」
潤「…ん」
もちろん、若干不安そうではあるけれど、しっかり
手に力が入って、俺とも視線が合っているから
大丈夫そう。
医「力抜いててね。すぐ済むからね」
潤「…はい」
検査してくれる医師も優しく声を掛けてくれて。
潤「…っ…」
「大丈夫…もう終わるよ」
局所麻酔が打たれる時は、さすがに少し辛そうに
していたけれど…
「頑張ったな、深呼吸しようか」
潤「…ん」
先「もう大丈夫だからね」
潤「…はい」
先輩も声を掛けてくれて、潤の体から少しずつ
力が抜けてきた。
医「薬入れていくと、少し胸のところ熱く感じるかも
しれないから、辛かったら教えてね」
潤「…はい」
医師の言葉も落ち着いて聞けていて一安心。
「頑張りすぎなくていいからな？」
潤「…ん」
潤が堪えすぎてしまわないように、手を握って肩を
さすりながら。
医「経過観察で大丈夫なんじゃないかな？」
先「そうですね」
「…よかった」
モニターを見ながら医師が診断してくれて。
「よかったな。もう大丈夫…」
潤「…ん」
どうしても強がってしまう末っ子を、これからも
上手く導いてやりたいな…
なんて、兄らしいことを思ってみる。笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
