3196.【5】 ページ46
［智にぃside］
翔「今すぐ呼べ。
潤に嫌がらせしたやつ全員だからな？」
男「…」
週明け、放課後になって潤にストーカーの
嫌がらせをしていた子たちに接触。
後を付けてきた子たち3人を先に捕まえて。
潤の話では少なくとも7人はいるみたいだから。
翔「早くしろ」
男「…」
怒らせたら一番怖いのは翔だよね。笑
翔は頭の回転も早いから、男子高校生が言い訳を
しようとしても敵わない。
翔「やり方、汚ねーよな？」
男女「…」
集められた高校生たちは、みんな揃って俯いた。
みんなで1人を追い詰めるときは強気なくせにね…
もちろん俺も腹が立ったし、怒りたいけど。
雅「…ちゃんと、止めてよ？」
「んふふ…分かってるよ」
俺は翔の宥め役。笑
潤が心配してたんだ。
『翔にぃ怖いから、怒りすぎた時は智にぃが
止めてね？』って。
散々嫌がらせされたのに、優しい奴だよね。
今は雅紀が、双子の肩をしっかりと抱えて、守って
くれている。
ただ、翔は意外と冷静で。笑
やっぱり子ども相手だからなのかな。
高校生たちを一方的に責めるワケではなくて
なにがいけなかったのかも説明してあげていた。
もちろん、とことん叱った後にね。笑
それで最後に「潤に『誰かになんか言ったら、
お前の大事なものぶち壊すからな』って言った
みたいだけど、それはこっちの台詞だからな？」
って、しっかり釘をさした。
みんな揃って「…は、い」って。
自分たちの行為が、思っている以上に相手に
ダメージを与えることがあることを、翔はきちんと
知って欲しかったんだと思う。
『そんなつもりはなかった』
『遊び半分だった』
事が大きくなって、取り返しがつかなくなってから
そんな風に後悔しても遅いからね。
「これでいいかな！？」って俺の方を見てきたから
しっかり頷く。
完璧です。笑
俺には真似できないからさ、やっぱり頼りになる
弟だわ。
潤「ありがと…翔にぃ。だいすき…」
翔「はは！俺も。もっと早く相談しても
いいんだからな？」
潤「ん、そうする」
潤はしばらく翔の傍を離れなかった。
少し幼かった頃みたいに『だいすき』『俺の翔にぃ
だから』って言って。笑
それから「みんなありがとう」って、末っ子らしい
可愛い笑顔で笑ってみせて。
俺が守ってやる！なんてカッコいいことは
言えないけど『5人で乗り越えていこう』って。
それだけは自信がある。
みんなで力を合わせれば、ね。
今までも、これからも…
END
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
