3193.【2】 ページ43
［雅にぃside］
和「ねー、なんか潤が
素っ気ないんだけどー…」
「ん？どうしたの、急に。そんなことあるワケ
ねーじゃん」
和「…でも」
「あいつ、お前のこと一番なんだから。
和より大事なものないんだよ？」
和「ん〜…」
ソファーに座っていたら、隣でゲームしていた和から
意外なこと言われてビックリしちゃった。
思ったこと口にしてみたけど、まだなんかモヤモヤ
しているみたいだから話を聞いてみることに。
和「帰りも一人で帰りたがるし」
「…ん」
和「あらしの散歩もたまにしか一緒に行って
くれないし」
「…ん」
和は唇を尖らせて不満を漏らしながら「俺より、
友達のがいいのかな…」って。
いやいや、可愛すぎでしょ。
兄弟だよ！？高校生だよ！？笑
当の本人は深刻に悩んでるみたいだから、茶化
したりはしないけどさ。
可愛いなーって思いながら髪の毛を撫で撫で。笑
潤が和より友達を優先させたり、和を邪険に扱ったり
なんてことは、あるはずがない。
でも、和が『素っ気なさ』と『寂しさ』を感じて
いるのは事実だから。
智「ん〜、なんだろ」
「必ず原因があるはずなんだけど…」
翔「そうだよなぁ…」
兄3人で緊急会議。笑
今までだって、なにがあったって5人で越えて
きたんだから。
なにかあったって簡単に絆が壊れたりしない。
その自信だけは、5人それぞれもってるし。
翔「なんも異変、感じないんだけどなぁ…」
「そうなんだよねぇ…」
智「学校から帰宅した時、ほっとした顔になる気は
するんだけど…」
翔「あ、ほんと？」
智「ん、なんか、前より。はっきりは分かんないけど
なんか感じる…」
智にぃが感じるなら、きっとそうなんだろう。
もう何年も、学校から帰宅する双子の顔を見てきた
ワケだし。
智にぃは、ほのぼのとしているように見えて、意外と
人間観察には長けてる気がするし。
それなら家以外のどこかに、原因がありそうだ。
翔「友達とのこととかなら、踏み込みすぎもね…」
智「ん、嫌だよね」
「そっかぁ…」
なんでもかんでも踏み込まれたら、いい気はしない。
もう高校生だもん、放っておいて欲しい部分も
あるだろうし、兄には知られたくないことだって
あるだろう。
「難しいね…」
翔「だな…」
智「もう少し、意識して見守ってみようか」
翔雅「ん、そうだね」
寂しがり屋の、弟ラブな和のお陰で
気が付けたこと。笑
大事にしなきゃねって3人で話して。
しばらく見守ることにした。
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
