3155.【5】 ページ5
［翔にぃside］
やっぱり入院、
させるべきだったのかな…
辛そうにしている智にぃを見ていると、自分の選択は
間違っていたのかも…って気持ちになる。
智「…ょ、う…？」
「…ん？」
色々と考えながら頭を撫で続けていたら、智にぃから
名前を呼ばれて…
「我儘ごめん…ありがと…」って。
辛いのは智にぃなのに…って反省。
「いや…ごめん。辛いかな…と」
智「…ん、でも、へーき…」
俺が余計なことを考えたせいで、無理させて
しまったな…と思う。
せっかく弱い部分を見せてくれていたのに…って
思ったから、それからは治療に専念することに。
「少しずつだけど、必ずよくなるからね」
智「…ん」
いつもと同じ点滴を追加するだけだけど、プラスの
言葉を掛けるようにした。
智「…ょう？」
「…ん？」
智「…お腹、さすって欲しい…」
そしたら智にぃも甘えてきてくれるようになった。
「痛む？」
智「ん、少し…」
お腹をさすりながら聞いてみると、隠すことなく
答えてくれるし。
「まだ下痢が続いてる」ってことも、毎回ちゃんと
正直に教えてくれる。
お腹をいっぱいさすってあげると「んふふ…」って
笑顔になってくれるから、今はそれが一番嬉しい。笑
［智にぃside］
入院したくないっていう自分の我儘で、翔のことも
苦しめてしまったけど…
翔「良くなりますように…」
「んふふ…」
ほんと、無条件に優しくしてくれるから、だんだん
自分に素直に甘えられるようになった。
看病の手間を掛けさせて、さらに「辛い」って
我儘も言ってしまう。
でも翔が「それでいいよ」って言ってくれるから。
「昨日より、少しマシかも…」
翔「そっか、そっか。よかった…」
下痢が少し治ってきた感じがして嬉しい。
すごく良くなってるって感じはしないけど、その分
ちょっとした変化を感じられる。
翔「お腹、少し温めようか」
「…ん、ありがと…」
「ごめんね」ではなく「ありがとう」が自然と
出るようになった。
翔「点滴はまだ続けようね」
「…ん、分かった」
翔「もう少し下痢が治まってきたら、錠剤も処方して
様子みよう」
「…ん」
翔「大丈夫。焦らず、ゆっくりね…」
「…ん」
長引いてしまって、なかなか良くならない…って
不安になることもあるけど、翔の言う事をちゃんとに
聞いていれば大丈夫って安心感は常にある。
俺の我儘で長引く治療に付き合わせてしまったけど…
完治するまで、よろしくね、翔先生！笑
END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
