3184.【3】 ページ34
［智にぃside］
目が覚めて、
記憶を少しずつ辿って。
それからみんなの顔を見たら…申し訳ない気持ちで
いっぱいになった。
でもその後は、翔からの説教が待っているんだと
分かったから寝たフリ。
だって翔って怖いんだもん…笑
俺のがお兄ちゃんだけど、こういう時は敵わない。
結局、寝たフリをしていたら本当に寝てしまって。笑
翔「今度は話終わるまで寝かせないから。笑」
「…」
夜になって、雅紀と双子が面会を終えて帰宅した後に
再び修羅場が…
翔は「たっぷり寝たから大丈夫だよね？笑」って
言いながら、ベッドに腰掛けてくる。
まだ安静にしていないといけないから
リクライニングは上げられないけど
掛け布団は取り上げられた。笑
翔「なんで無理したの…」
「…」
翔「分かってるんだよ、予兆があったこと」
「…」
翔「危なかったんだからね？」
「…」
なんて答えたらいいものか…
まずは一言『ごめんなさい』なんだろうけど、俺って
意外と頑固でさ、その一言がなかなか…ね。
悪いと思ってる。
謝りたいと思ってる。
翔「…智にぃ？」
「…」
なのに素直に言葉が出てこなくて…
「…」
翔「あ、こら…笑」
目を閉じて再び逃げた。
［翔にぃside］
優しくしてあげようかなとも思った。
でも、いっぱい心配した分、少しくらい厳しくしても
いいんじゃないかとも思って。
優しくでもなく、厳し過ぎもせずって感じで、話を
進めていこうとしたけど…
「ちょっと…、また逃げんの？笑」
智「…」
この人の頑固さには到底敵わない。
「もう、いいよ、そのままで。笑」
智「…」
仕方がないから、寝たフリをしたままの智にぃに
病状を詳しく説明して。
少し説教もして。
それでも尚、寝たフリを続けるから、少し懲らしめて
やろうと思って。笑
「もう寝るのね？じゃあ、置いていくからね」
智「…」
『一人だよ』ということを強調して、わざと少し
大きめに音を立てて立ち上がる。
途端にピクッと体を動かした智にぃだけど、構わず
背を向けたら…
智「…っ、待って、よ…」
「…」
案の定、呼び止められた。
「いいよ、寝てて」
智「…じわ、る…」
「いじわる？はい？どの口が言うんだかね。笑」
智「…ん、んん…」
まさか『いじわる』と言われるとは思っていなくて
思わず智にぃのほっぺをムニュっと潰してしまった。
こうなったらとことん攻めてやろうと思って。
「一人が嫌なら言うことあるよね？」って
投げかけてみる。笑
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
