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［翔にぃside］
ストレッチャーに
寝かされた智にぃの顔は真っ白で…
元気がないかもって気になった時点で、声を掛けて
いれば…って後悔でいっぱい。
かなり緊急性が高くて、救急車の中も緊張感が漂う。
そんな時…
ピーッ…
心肺停止…
「…嘘、だろ…」
自分の声が驚くほど震えていて…
それでも…
「自分がやります、やらせて下さい…」
心臓マッサージは自分でやった。
見ているだけではもどかしいし、自分がして
あげられることは全部してあげたい。
「智にぃ…がんばれ…」
智「…」
もっと早くに…って後悔は消えないけど、とにかく
無我夢中で心臓マッサージ。
救「翔先生、お疲れ様。こっちで預かるね」
「…お願いします」
病院に到着してすぐ、救急のスタッフに引き継いで
自分も支度を済ませて合流することに。
「智にぃ、頑張ってるから…」
雅潤「…ん」
和「助けて、ね…お願い…」
「ん、分かった」
追いかけて病院にきてくれた3人に状況を説明。
一度心停止になったことを伝える時にはどうしても
声が震えてしまったけど…
『必ず助ける。待ってて』
そう伝えることができた。
［雅にぃside］
突然のことで…
「目、覚ますんだよね…？」
翔「当たり前だろ。絶対、大丈夫」
「…ん」
処置室から手術室に移動して明け方まで緊急手術。
ICUに運ばれてきた智にぃの両サイドの椅子に座った
双子は、手を握りながら眠りについた。
和と潤の前では「大丈夫だよ」なんて強がっていた
けれど、翔にぃの前では弱気になってしまう…
だって智にぃ、すごく幸せそうな顔して眠ってて。
このまま眠り続けるなんてことないよね…って不安に
なってしまうくらいなんだもん。
翔「この人、寝るの好きだから。笑」
「…あひゃ…だね。笑」
まだまだ治療は必要になるけれど、危険な状態は
脱したと説明があったから、大丈夫なんだろう。
翔にぃの言う通り、信じて待とうって決めて…
「智にぃ、いっぱい寝たら、目開けてね」
智「…」
耳元でそっと声を掛けた。
俺の声も届いて、和も潤も付きっきりで
待っていたから、智にぃも『起きなきゃ』って
思ってくれたのかも。
手術した日の夕方、目をパチパチして「あれ…
ここどこだ…？』って。笑
少しずつ記憶が戻ってきたのか、翔にぃが「あとで
話あるから」って声を掛けたら目を逸らして、そして
寝たフリ。笑
翔「都合悪くなると逃げるんだから」
智「…」
あひゃひゃ、ひとまず安心だ。
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
