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［翔にぃside］
なんだか雅紀が
思いっきり末っ子モードで。
まぁ俺らしかいないし、精神的にも弱ってたところ
だから、甘えられる分にはメリットの方が大きいから
いいんだけども。
智「あぁ…笑」
「もう…やりすぎ。…怒るよ？」
雅「…っ、…んっ…けほっ…うる、さい…っ…けほ」
智にぃが持ってた吸入器を払い退けて、床に落とし
やがった。笑
口では「うるさい」なんて言いながらも、床に落ちた
吸入器のこと気にしてる可愛いやつ。
拾い上げながら確認して「壊れてねーよ」って
伝えて「でも壊れるかもしれないから次からは
やめて」って伝えたら睨んできやがる。
だから俺も負けじと睨み返すよね。笑
雅「んん…」
智「んふふ…翔？やめてあげて。笑」
俺に睨まれてパッと目を逸らした雅紀は、智にぃの
腕を引っ張ってベッドサイドに寄せると、お腹に
抱き付いて甘えてる。
雅「…っ…けほっ…んっ…っ…けほっ…」
「ん、分かった。怒らないから。笑」
まだまだ咳が残ってるから、早いとこラクにして
やらないとと思って。
雅「…っ、んん…や、だ…っ…けほっ…」
「嫌だじゃないの。笑」
智にぃにもう一度吸入器を当ててもらって、俺は
軽く手を抑えておいて。
少し回復してきてからは目を潤ませる程度に
落ち着いてきたから、ちょっと安心してる。
コンコンコン…
先「夕食届いてたよ〜！」
「ありがとうございます！」
先輩も気に掛けて、こうして理由を見つけては
病室を覗いてくれるから有難い。
心配してくれているのが嬉しい。
雅紀も先輩の前では割と素直で、今日も「連日、
お兄ちゃん達居てくれていいね」って声を掛けて
もらって、コクコク頷いてた。
恥ずかしがりもせず、こうやって素直なところが
こいつの可愛いところ。
長いこと末っ子でいただけのことあるな…と。笑
でも、だからこそ俺らの前では我慢せずに我儘に
なるのには今回は手を妬いたけど。
雅「…っ、や、だ…もう、終わ、り…っけほっ…」
「ちゃんとやらないなら今日の退院も延期な！」
雅「…っ、けほっ…しょ…ぃの…じわる！」
「はぁ！？笑」
雅「…っ、ば、かっ！」
智「んふふ…」
退院のその日も嫌々炸裂で。笑
でもね、智にぃと『受けとめてあげよう』って
決めたから。
少しくらい手がかかっても、智にぃと協力すれば
大丈夫だし。
喘息発作が出たときは、また苦手な吸入だけど
『がんばれ、雅紀！』って心の中で応援して
退院手続きをしてやった。笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
