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［智にぃside］
元気な和ばかりを
見ていて。
病気の怖さとか発作の恐ろしさに目を向けてない
自分がいた。
それに、和の笑顔を見ていると、本当に忘れてしまう
こともあったんだ…
でも、今は改めて現実を突きつけられて。
「本当に…ほんとに、やばいのかも…しれな、い」
雅「…っ！そんなこと、言わない…で、よ…」
翔「…」
「でも…覚悟も…必要…でしょ…」
自分でも声が震えているのが分かる。
いつも全力で和を助けようと頑張っていた翔が
肩を落としてただただ涙している…
諦めたわけじゃないし、もちろん翔だって諦めてる
わけじゃないんだけど…
「不安でさ…堪らない、よ…」
雅「…っ、んっ…んくっ…」
翔「…っん…っ…なんで、こんな、こと…」
和がいなくなってしまうのかと考えるだけで
堪らなく恐い。
不安で押し潰されそうになる…
3人で泣きながら、不安と恐さをぶつけ合った。
途中、翔の先輩が覗きにきてくれて「それでいいよ。
和くんの傍に付いてるね」って言ってくれた。
今は本音をさらけ出すことが必要だって、判断して
くれたんだろうね。
そうじゃなきゃ、俺らみんな潰れてしまう。
そうしたら、頑張ろうとしている和を支える人が
いなくなってしまうから…
［潤side］
病室のベッドで目を覚ましたら、兄貴たちがみんな
泣いていた。
『和の命が…』って。
兄貴たちから初めて聞いた言葉かもしれない。
発作って、こんなに恐いものだったんだ…って
改めて感じて。
和は、いつだってこんなにも大きな恐怖と向き合って
生きているんだな…って。
智「ごめんね、潤。みんなで会いにいこう」
「…ん」
俺は、兄貴たちが話しながら泣いているのを
ベッドの上でただ見ていた。
兄貴たちは途中で俺に気が付いたけれど、泣くのを
やめなかった。
いや…やめれなかったんだよね。
それ程、今回は深刻ってこと…
ピッピッピッピッ…
ICUにいる和に会いにいったら、聞こえてくるのは
機械音だけ。
このまま目覚めない可能性もあるし、また大きな
発作が起きれば心臓が限界になることもある…
覚悟なんてできっこないし、もしものことなんて
考えたくもない。
俺は心の中で『かず…ずっと待ってるからな…』って
伝え続けた。
何日も何日も…
それなのに…
ピッピッピッピッ…
和の病状は一向に良くならない。
翔「今度はこっち向こうか」
智「…よいしょ」
雅「枕挟むね」
意識なく寝たきり…
背中には床擦れができていた…
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
