3168.【4】 ページ18
［和side］
翔「…よかった」
先「頑張ったね、和くん」
「…ん」
目が覚めたとき、潤の顔が一番に見えて…
そのすぐ後に、先生と翔にぃが見えた。
その後ろには智にぃと雅にぃ。
みんなが居てくれたんだな…って。
俺の意識は3日間、戻っていなかったらしい。
潤は自分のことを責めていたって、にぃ達から
聞いた。
先生も一緒に治療をしてくれていたこと、にぃ達が
ずっと傍にいたことも聞いた。
だから、次は俺が頑張る番。
翔「明日から、リハビリ頑張ろうな」
「…ん、わかった」
ほんとはリハビリなんかしたくないけどって
思いながら、なかなかハードなリハビリに頑張って
取り組んでたんだけど…
翔「すっぽかすのはなし！失礼だろ？」
「…」
智「そうだね…和の為に時間用意してくれてるから
せめて連絡はしよう？」
「…」
やってしまった。笑
「だって…嫌なんだもん…」
こんな小学生みたいないいワケね。笑
翔「ん、嫌なのは分かるよ。大変なのも、辛いのも
分かってる」
「…でも代われない？」
翔「ん、よく分かってんじゃん…笑
代わってやりたいけど、代われない。和が頑張るしか
方法がない」
「…ん」
俺が辛い時、にぃ達や潤も同じように辛いんだって
分かってる。
俺以上に辛い時もあると思うし。
潤「明日からは俺も一緒にいく！だから…な？」
「ん、ありがと…」
午前中にしていたリハビリを、次の日からは夕方に
してもらった。
潤「かず、すごい、すごい！」
「…んふふ」
潤はずっと傍にいてくれて『すごい！』とか
『できてる！』とか声を掛けながら励ましてくれて。
今回の火災では、潤だって怖い思いをしたし
自分のこと責めたりね…してた。
でも、そういうのは一切見せずに、こうやって
励ましてくれるんだもん。
俺がへこたれてられるか！って最後はもう意地で
乗り切ったよね。笑
先「すごいなぁ、和くん！予定より3日も早い退院」
「…んふふ」
お陰で、長引くことの方が多い入院が、今回は早い
っていう。笑
先生にも見送ってもらって、当直明けの翔にぃと
一緒に帰宅した。
火傷ももう痛くないし、リハビリも頑張ったから
ちゃんと回復してるし…って自信持ってたんだ。
だけど…
「…っ…」
家に帰ってきて、飲み物を取りにキッチンに入って
コンロを見ただけで、心臓がドクドクって…
急いで自室に駆け込んで自分を落ち着かせる。
こんなに恐怖心が残っていたなんて…
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
