2459.【3】 ページ9
［雅にぃside］
夜中に頻繁に
発作を起こすようになって…
和「…っ、んっ、ん…」
「今、翔にぃ呼んだからね…」
目を離せないし、気を抜けない状態が続いてる。
和「…んっ、ん…や…」
それと比例して和の情緒も安定しなくって
大人しく診察を受けれなくなって…
今もせっかく翔にぃが来てくれたのに、体を捩って
聴診器を払いのけて。
翔「かーず、分かった。やらないから…な？」
和「…ん、んくっ…」
ポロポロと涙を零し始めた和を見て、翔にぃは
諦める。
その変わりに「和の横、寝転んでもらっていい？」
って俺に指示を出してそっと薬を手にとる。
点滴の側管から薬を入れてくれるみたい。
「かず、いるからね…大丈夫だからね…」
俺が視界を遮っている間に薬を追加。
和「…っ、んくっ…、治し、て、ほし…」
翔「ん、治すから。もう少しだけ待ってな？」
翔にぃからの返答に安心したみたい。
和「…ん」
胸元をさすっていたら眠ってくれた。
「俺寝ても大丈夫かな？見てた方がいい？」
翔「いや、大丈夫。隣で寝てやって？」
「ん、分かった。何かあったら呼ぶね？」
翔「ん、頼むな」
夜中に目を離せないのは俺らにとっても大変な
こと。
だけど和の辛さを思ったら…ね。
［翔にぃside］
不安と辛さが大きくて情緒不安定になった和は
あらゆることを嫌がる。
軽い診察だけでも、まずは「いやだ」って
拒否することから始まって。
ご飯も嫌、水分も嫌、診察はもっと嫌…って、
そんな状態。
どれもこれも宥めながら、騙しながら進めて
いく感じだけど、強行突破に踏み切ることも
多々あるわけで…
和「…っ、ん、や…、いや…」
「ごめん、これだけは飲まないと…」
食後30分以内に服用しないと駄目な薬をまだ
飲めていない。
何とか宥めて飲ませようとしていたけれど、どうも
納得してはくれそうにないから…
「腕ごと抑えてくれる？」
智「ん、了解。かーず…ちょっとだけ頑張ろうね」
無理矢理にやれば泣くのは避けられないし、
それによってチアノーゼが出るかもしれない。
でも、飲ませないわけにもいかなくて…
凭れる和を、後ろから抱え込むように智にぃに
抑えてもらって、顔を抑えながら口を開かせる。
和「…っ、んっ、や…」
「ごめん、和。嫌なの分かるけど、これだけ
我慢してな…」
普段から飲んでる薬だし、普通の錠剤だから
情緒が安定してれば難なく飲めるんだけどね…
和「…っ、んくっ、げほっ…」
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
