2120.【4】 ページ20
［あらしside］
かずの ぐあいが
わるくなって なんにちか たって。
そのあいだ ぼくは ずっと かずの そばに いた。
すこし げんきに なってきてからは
ボールを コロコロって してくれたりして
うれしいことも あったんだ。
ぼくとの やくそくも おぼえて いてくれて「約束
したもんな」って いって あそんで くれた。
でも すこししたら また すごい ねつ…
しょうの ことばに はんのう できなくて
うなってる。
翔「点滴で薬追加したから。大丈夫、心配しなくて
いいから。な？」
潤「…ほんと？」
翔「ん、ほんと。大丈夫。そんな顔すんな」
なみだが こぼれそうな かおで かずの ことを
みつめていた じゅん。
しょうに だきよせられて からだを あずけた。
「ウォンッ！」
ぼく しんじてるよ しょうのこと。
だって かずが いっつも じまん してるもん。
「俺の担当の翔先生はすごいんだ」って。
みんなも そう おもってるから かずの ぐあいが
よくなるのを じっと まつ。
そしたら つぎの つぎのひ かずは ニコって
わらって「熱も下がったし、体も怠くない」って
おしえてくれた。
「ウォンッ！ウォンッ！！」
やった！
じゃあ あそべる？
和「待たせてごめんね、あらし。遊ぼうね」
「ウォンッ！」
かずは ぼくと いーっぱい あそんでくれた。
さんぽも いこうと してくれたけど さとしに
「だーめ！」ってとめられて。
んふふ…
さんぽは さすがに だめだって ぼくも わかって
たんだけどね。
智「かーず？安静にしてるって約束したんじゃ
ないの？」
さんぽを とめられた かずは ふくれっつらで
にわに でようとして また おこられてる。
和「だって。あらしと約束したんだもん」
智「でも、それでまた具合悪くなったら？
またあらしが心配すんだろ？」
和「でも、あらしとの約束が先だもん！
翔にぃとの約束は後からしたんだもん！」
智「そういうこと言う？笑
翔に電話で報告しちゃうけど…いいのね？」
和「んぅ…いいわけないっ！」
よういした スニーカーを にわに むかって とばして
おこった かず。
さとしが「…ふふ」って わらう。
なんで わらうのか ぼく しってるよ。
げんきに なって うれしいんだよね。
こうやって むちゃくちゃなこと いえるのは
げんきが あってこそ だから…
これが ほんとうの かず だもん。
和「あらし〜、ボールしよ。智にぃうるさいから」
「ウォンッ！」
ぼく かずと あそべるだけで まんぞく！！
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
