2040.【3】 ページ40
［あらしside］
ぼくね、しってるんだ。
かずの べっどには ぼたんが ある。
まほうの ぼたん。
この ぼたんさえ おせば かならず さとしたちが
たすけに きてくれる。
こわいときでも くるしいときでも いいんだよ？
さびしいときだって いいんだよ…？
そんなこと ぼくだって しってるのに…
ねぇ、かず？
かずは どうして ぼたんを おさないの…？
ぼく、ぼたんは おせないの。
おしかた わからない…
和「…ん、んん…」
「クゥーン…」
かずが つらいの ぼく いやだよ…
和「ん、…らし、だいじょうぶ…なかない、で？」
「クゥーン…」
和「…ん、ん、…カウンセリング、がんばった
もん…、だから、へいき」
ふるえるてで ぼくを なでてくれる かず。
和「…ん、だいじょうぶ…」
かずは ちいさく なんども しんこきゅう してから
「ふふ…強がらせて…？笑」って。
和「…っかく、カウンセリングしたのに
なんかさ…かっこわりーじゃん…？」
こういうの『ぷらいど』って いうのかな。
「クゥーン…」
んーん。
かずは かっこわるくなんて ないよ？
もし ここで かずが ぼたん おしても さとしたちは
なんとも おもわない。
そんなこと わかってるくせに…
和「…ふふ。不服そうな顔、すんなって…笑」
わぁ…やめてよ！笑
かずは ぼくのかおを くしゃくしゃ って
らんぼうに…
でも やさしく…
和「おれ、なんでこんなに、恐いんだろ…」
ん…どうしてかな…
和「ん、…よいしょ…」
かずは うつぶせに ねなおしてから
ぼくの あたまを なでる。
和「頭からね、離れないんだ…あの時のこと…」
かーてんから すこしだけ はいってくる
つきあかり。
てらされた かずの よこがおは とても せつない…
和「すげー、こわくて…」
「クゥーン…」
かず…
和「体、みんなに抑えられて…
少しもさ、動けなくて…、…れで、さ…？」
ぼくと まっすぐ めを あわせてる かず。
そのめから ぽろぽろ って なみだが こぼれてきた…
和「…すれ、たいのに、全部…忘れたいのに…」
「クゥーン…」
なかないで…かず…
和「…んせい、の声も、抑えられた感触も…
全部、ぜんぶ…覚えてて…、消えない…っ、んっ」
「クゥーン…」
かず…
ぼくを たすけてくれた かず。
だいじな ひとが めのまえで ないてる…
なんとか したいのに なにが できる…？
和「…っ、んくっ…、トラウマ、克服したいのに…
なんで、できない、んだろ…」
「クゥーン…」
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作者名：空
| 作成日時：2015年10月17日 13時
