2039.【2】 ページ39
［あらしside］
和「ふふ…あったかい」
雅「よかったね、さっぱりしたね〜」
おふろから あがって まさきに かみのけを
かわかして もらってる。
まさきは「放っておくと、お前乾かさないから」
って しかたない みたいに いってたけど
やさしさなの。
かずが あんしんするの わかって やってあげてる。
みんな ほんとうは しんぱいで しかたない。
もちろん、ぼくだって…
でも、いつもどおりに しておくのが いちばん
いいんだって。
そのほうが かずが あんしん できるみたい。
翔「かず？薬、どうしよっか…？」
和「…ょっと、だけ。飲む…」
翔「おっけ。じゃあ、1錠にしておこうか」
和「…ん」
こころが おちつく くすり。
「飲みたくない」って いうときも あるし
のむときも あるんだ。
きょうは 1つだけ のむことに したみたい。
和「…ょ、にぃ？」
翔「ん…？」
和「あらし、一緒に寝ても、いい…？」
翔「ん、今日だけ特別な？」
和「ふふ…やった、あらし…」
ふわっと わらった かず。
きょう いちばんの えがお。
それだけで、うれしい…
だってね？
こわい けんさの まえのひは ぼくと
ねられないくらい ないちゃってる ときもある。
ぼくが そばに いても きがつかなくて
おおきなこえで ないてるの…
こころが たすけて…って さけんでる。
そんなときは ぼくも さとしたちも みーんな
とっても つらいから…
もちろん、いちばん つらいのは かず だけど…
和「んふふ…あらし、いこ」
「ウォンッ！」
だから、いま…
とっても とっても うれしいよ、かず。
そんな きもちを つたえたくて ほっぺを ぺろぺろ
たくさん なめる。
かずは「くすぐったいよ…」って また すこしだけ
わらってくれた。
翔「…おやすみ、かず…」
和「…ん」
翔「ここに、いるからな…？」
和「…ん、寝るまで、いて…？」
翔「もちろん…」
くすりは すこししか のまなかったけど
とっても つかれていたから ねむれたみたい。
翔「あらしも、おやすみ」
「クゥーン…」
ぼくも かずの うでに だかれながら ねむる。
いつもより、すこしだけ はやい こどうを
ききながら…
和「ん…んぅ…」
ん？
かず…おきちゃった？
和「…ん、んん…」
すこし じかんが たってから かずは なんども
ねがえりを くりかえす。
おきちゃって こわいなら ぼたん あるよ？
和「…っ、んん…」
ねぇ、かず…？
ぼたん、おして？
おねがい…
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作者名：空
| 作成日時：2015年10月17日 13時
