1857.【2】 ページ7
［潤side］
夕方前に練習試合が
終わって、ホテルに戻ってから感じ始めた
体の不調…
体がポカポカし出して、頭が痛い。
「風呂行くぞ？」ってチームメイトの言葉に
頷いては見せたけど、体が重くて動けない…
チ「どしたー？」
チ「夕飯前に行くだろ？」
部屋にゾロゾロと集まってきたチームメイト達。
チ「潤…？」
反応しない俺を見て、不思議に思った1人が
俺の肩に手を置いて「お前、熱くないか？」って。
この時にはもう、視界がグルグルで気持ち悪くて
何の反応も出来なかった…
「コーチ呼んでくるから待ってろ」って声がして
バタバタと部屋の中が騒がしくなって。
しばらくしたら「じゅん？」って優しい声。
すごくすごく優しい声なんだけど、求めてた
兄貴の声じゃないことに寂しさを感じる…
油断をしたら、苦しさと不安と寂しさで
涙が零れそうになって慌てて堪える。
コーチはチームメイトを部屋から出して
俺の体をゆっくりベッドに寝かせてくれて
「無理して反応しなくていいから…」って
タオルを顔に被せてくれた。
熱を計ったり、飲み物を飲ませてくれたり…
俺が少し落ち着くのを待って「家に連絡しても
いいか…？」って。
「…なく、て、いい…」
コ「明日の夜まで戻れないぞ？」
「…ん」
コ「…和也、調子悪いか？」
「ん、ん…、かず、大丈夫…」
和の体調が悪くて、俺が遠慮してると思って
くれたみたいで…
まさか発作を起こし掛けて苦しんでるとは
知らなかったから首を振ったんだ。
そしたら「だったら、迎えに来てもらおう？
このまま残っても、明日の試合には出して
やれないから」って。
悔しさと、タイミングの悪さに涙が零れる。
コーチは、こうなると分かっていて、タオルを
被せてくれたんだろうか…
「連絡、してくるな？」って言葉に、頷くしか
なかった。
タオルの上から腕を乗せて、止まらない涙を隠す。
「智くんと連絡取れて、翔くんが迎えに来て
くれるって言ってたから」ってコーチの声を
聞いて、俺は眠りへと堕ちた。
どれくらいの時間が経ったんだろう…
誰かと誰かが部屋の中で話をしている声で
目を開ける。
翔「あ…起きたね…」
そっと頭に乗せられたのは大好きな翔にぃの手…
「…っ、ん…、…めんな、さい…」
翔「ん？謝ることしてねーだろ？笑」
してるもん…
迷惑掛けたし、心配掛けたし…
そんな俺の気持ちを知ってか、翔にぃは黙って
そっと抱き寄せてくれた。
もちろんコーチが出て行ってから。笑
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
