1899.【4】 ページ49
［智にぃside］
翌朝…
和「ふふ…智にぃ？これ、開けて…？」
ジャムの瓶を俺に差し出してニコニコ。
ちょっと甘えん坊さんだけど、不安定では
なさそう。
そんな和を見て、潤もニコニコ。
よし…
これなら話しても大丈夫そうだね。
翔と雅紀もそう思ったみたいで頷き合う。
和「ご飯終わったら、あらしの散歩してきても
いい？」
「いいけど、その前にちょっとだけ
昨日のこと話してもいい？」
和「…昨日の、ことって…？」
「海でのこと。ちゃんと話しておきたいんだ」
和「…あとでね」
「ん、後でね」
俺から話を切り出されて、和は不安そうに
瞳を揺らす。
それを見て、潤の顔も不安で染まる…
いつだって2人で一つ。
苦しいことも、悲しいことも共有してきた
2人だから…
でも、だからこそ今回の様な事が起きた時
お互いに最善の方法で守り合って欲しい。
そう思うから…
和「あらし、抱っこしててもいい…？」
ご飯を終えたら、自分から話をする方向に
持ってきてくれた和。
「ん、いいよ。大事だもんね」
和「ん…」
ソファーに座った和の隣に「潤も座りな？」って
促してくれた翔。
俺らは3人で双子の前へと座る。
「昨日、恐かっただろ…？」
まずは単刀直入に聞いてみる。
小さく頷いた和は「…こわかった」って呟く。
「潤は？潤も恐かっただろ…？」
潤「…ん、こわかった…」
「俺らもね、連絡もらって恐かった。
お前らを失うことになるかもしれなかった…って
思ったら、すごい恐かった…」
和「…ん、ごめん、なさい…」
俺らの気持ちが分かるんだろうね…
和はポツリと謝ってからポロポロと涙を零す。
隣の潤も涙目だ…
「かず…謝らなくてもいいよ。和は、あらしのこと
守ろうとしたんだもんね…」
和「…っん、…海に、入ろうと、したの…」
膝の上のあらしを抱きしめながら「飛び込もうと
したから焦っちゃった…」って。
「ん、ビックリしたね…」
和「…っん、ん…」
「自分を犠牲にしても守りたいって思う気持ちは
とっても大事だよね…。和の優しい気持ち
大好きだよ？」
腕の中のあらしも一緒に、今度は俺が抱き締める。
和や潤が、自分よりも相手を大事に出来るところは
俺らの誇りだから…
でも。
それによって大事な人の心を、傷付けることも
あるってことも知らせておかないとね…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
