1877.【真夜中の発作】 ページ27
［和side］
梅雨前に暑い日が
続いたから…
翔にぃに「夜は冷えるから、長袖とズボンで
寝てな？」って忠告にされたけど軽く返事をして。
面倒くさくて、短パンにTシャツのまま
ベッドに潜り込んだ…
たぶん、にぃ達が覗きにきて布団をしっかり
掛けてくれたんだと思う。
寝るときには足元に追いやったはずの布団に、
包まれるようにして眠っていた俺。
「…っ、…かない、で…」
とても恐い夢を見た…
検査が恐くて泣いて暴れて抵抗したら
『じゃあ、勝手にしなさい…』って…
顔は見えないんだけど、傍にいてくれた人達が
みんないなくなってしまった。
「…っ、いかな、…で…」
魘されながら、包まれた布団から這い出たら
短パンもTシャツも汗でビッショリ…
トイレに行ってから着替えようと思って
部屋を出る。
「…っ、ん…」
ドアを開けた途端にスーッと冷たい風。
翔にぃの言っていた通り、やっぱり夜は
冷えるみたい。
汗で濡れた服が低い気温で冷たくなる。
トイレを終えた時には、体温もかなり
下がってしまっていたみたいで…
「…っん、ん…」
胸の痛みに息苦しさ…
「…すけ、て…」
廊下にしゃがみ込んでも尚、胸の痛みから
解放されることはない。
倒れ込むように寝転びながら、頬を流れる涙を
感じた…
「…っ、にぃ…」
［翔にぃside］
「…っ、さむっ…」
相変わらず寝相の悪い俺は、布団を蹴飛ばして
お腹丸出し。笑
双子には「しっかり布団を掛けろ」なんて
言ってるくせにね。
ふと…薄着で眠った和のことが気になって
部屋を覗いてみることにした。
「さむっ…」
廊下の窓を開けたまま眠ってしまったのが失敗。
日中は暑くても、まだまだ夏には敵わない。
『もっと早くに覗きにきてやればよかったな…』
そんなことを思いながら和の部屋に向かう。
不自然に空いたドア…
慌てて部屋を覗いて電気をつけたら
ベッドは空っぽ…
「…っ、かず？」
リビングかと思ったけど、トイレの方を
振り返って心臓がドクッ…となるのが分かる。
床に倒れ込んでいる人影…
「…っ！かず！和！！」
和「…ん、ん…」
「智にぃ！！」
和の反応の悪さに、さらに心臓がドクドクと
音を立てる。
また一人ぼっちで不安な思いをさせてしまった…
慌てて部屋から出てきた智にぃに状況を
説明して…
智「…翔？泣かないの…
翔のせいじゃ、ないでしょ…？」
気が付いたら泣いていた…
智にぃの優しい言葉に、さらに涙が溢れる。
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
