1871.【歯ブラシは恐い】 ページ21
［翔にぃside］
智「無理しなくていいよ？」
和「ん…、…いじょうぶ」
「日にち改めてもらえるよ？」
和「んーん。先生、忙しいもん…」
今日は歯科の定期検診。
だけど和は明け方に夢に魘されてパニックを
起こしてしまって。
歯科検診が原因ではないと思うんだけど
負担になってるのは事実だから、今回は日にちを
替えてもらおうと思ったんだけどね…
和は「大丈夫」の一点張り。
確かに先生は忙しくて、予約を取るのは大変。
でも定期検診なら1ヶ月くらい先延ばしでも
大丈夫だから何とかなるんだけど…
歯「こんにちは〜」
結局、和が「今日がいい」って折れなかったから
先生が時間になってやってきて、予定通りに
行なうことになった。
パニックを起こして明け方から起きてた和は
ソファーでウトウト…
その隙に、和の精神状態について話をして
「いつもより手が掛かるかもしれません」って
付け加えておく。
場合によっては、途中で止めてもらうことも
有り得ると思ったから。
でも、そんな俺らの予想に反して…
和「ピカピカにしてね？」
歯「任せてね〜」
和「んふふ…」
検診は無事に終わり、最後は歯磨き。
先生が電動歯ブラシで磨いてくれるんだけど
この振動がの心地良さと寝不足で…
歯「寝ちゃいましたね」
「すみません…笑」
和は歯を磨いてもらいながら眠ってしまった。
口が閉じないようにサポートしながら
歯磨きを続けてもらう。
智にぃと雅紀も「可愛いね…笑」って
覗きにきて笑って。
明け方のパニックのことで心配していたからこそ
この和やかな空間が嬉しかったのに…
和「…っ！んっ…」
歯「あ…起きたかな…？」
和「…っ、ぎゃー！」
寝ていた和は、目を覚ますなり突然のパニックに
陥り…
状況が掴めなくて、歯ブラシを口に入れたまま
起き上がろうとして…
歯「…っ、待って…」
和「…んっ…おぇっ…」
歯ブラシが喉の奥を刺激してしまったみたいで
嘔吐してしまう…
和「…っ、ぎゃー」
振り回す手を掴んで、落ち着かせることを優先。
何とか薬を使わずに落ち着いてはくれたけど…
和「や…」
歯「ごめんね…苦しかったね…」
和は先生を拒否。
智「先生のせいじゃありません。
申し訳ありませんでした…」
智にぃが上手いことフォローしてくれて
その場は収まったかのように思えたけど…
和「…や。やらない…」
和は歯ブラシに恐怖心を抱いてしまった…
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
