1868.【2】 ページ18
［和side］
何かを考え込むような…
そんな表情をした潤。
んふふ…
俺、分かっちゃった。
「ねぇ、潤？にぃ達って、すごいよね？」
潤「…っ！へっ？」
「ふふ。そんな驚かなくても。笑
今、そのこと考えてたんでしょ？」
潤「ん…うん」
「俺もね、にぃ達ってすごいと思う」
遊びたい盛り。
働き盛り。
まだまだ親になんてならない時期に『運命』で
俺らの親代わりになってしまった、にぃ達。
言い方悪いけど「なってしまった…」んだよね。
でも、それについての愚痴…
一度だって聞いたことないもん。
だからといって『運命だから仕方ない』って
諦めてる感じじゃないのが、にぃ達の
もっとすごいとこ。
俺らはね、にぃ達に教えてもらったんだ…
『人の幸せは、人それぞれ』
『大切なのは、幸せって感じるかどうか』
『自分が、幸せって思えればそれでいい』
俺らの境遇を、周りの人は『大変ね…』
『可哀想ね…』『運命って残酷ね…』って嘆く。
俺のことなんか、特にね。
だけどね、周りの人は関係ないの。
だって俺は幸せだから…
そんな気持ちを持てるように育ててもらって
俺は、にぃ達に感謝してる。
自分を哀れむんじゃなくて、こうやって胸張って
『俺は幸せ』って言えるようになったこと。
それは間違いなく、にぃ達のお陰だから…
俺らはそんなことを、珍しく熱く語り合った。
いや、潤はいつも熱いんだけどね。
俺、こういうの苦手だから。笑
和潤「ただいまー！！」
智「おかえりぃ〜」
いつも通り、少しゆる〜い感じで出迎えてくれる
智にぃ。
「ただいまっ♪ 」
智「ふふ。おかえり…」
堪らなくなって甘えて抱きついたら、いつだって
こうやって受け止めてくれる。
潤「弁当美味かった！！ごちそう様〜」
「あ、俺も！完食！ごちそう様〜」
智「ふふ…よかった」
こんなやり取り、日常茶飯事。
でも、そんな毎日が幸せで溢れてる…
「あらしの散歩行ってきていい？」
智「水分量と体温書いてからね〜」
「はぁ〜い」
今日は放課後のニコちゃんマークももらってるし
水分もちゃんとに我慢した。
だから自信もって記入できるもーん！笑
智「えらいじゃん。笑」
「んふふ…」
スマホを見ながら水分量を記入する俺の首元に
智にぃの手がそっと触れる。
智にぃはこうやってさり気なく、俺の体温とか
体調を気にしてくれる。
イライラしてる時は、そんな智にぃの行為に
当たってしまうこともある…
でも…
ほんとは、嬉しい…
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
