1867.【それぞれの存在】 ページ17
［雅にぃside］
翔「和！弁当忘れてる！」
和「きゃはっ！ありがと〜」
犬みたいにトコトコ走ってきて
「いってきまーす！！」って元気に駆けて行く。
朝の翔にぃは『お母さん』みたい。
双子の持ち物を確認したり「忘れ物ない？」って
声を掛けてあげたり。
これは、両親が亡くなってから自然に出来た流れ。
きっと翔にぃは、元々そういう気質を持って
生まれたんだと思う。
だって、俺にはできないもん！笑
翔「起きなさいって！笑」
潤「ん〜…さわんなっ！」
翔「…あ？なんだって？」
潤「…。なんでもない…」
寝起きの悪い潤の機嫌の悪さも、翔にぃの
手に掛かれば一発。
多少、脅しも入ってる気がするけど。笑
智「潤のお弁当ね。ご飯、多めにしたからね〜」
潤「やった！いってきまーす！！」
双子をモリモリ元気にしてくれるのは智にぃ。
栄養バランスの良い食事はもちろんだけど
幼い頃の双子の好き嫌いを減らすために奮闘。
一緒にクッキングをしたり、芸術の才能を
生かして、器用に色々作ってくれてるから。
数字の型にカットされた人参とか、色んな型の
ハンバーグとか。
和は少食だから「少しでも見た目で食欲が
出てくれたら」って、智にぃはいつも気遣ってる。
レシピもほんとに色んなところから探してきて。
「いつでも主夫になれるね〜」なんて
俺らは冗談で言ったりしてるけど、主夫にも
パパにもすぐになれると心から思う。
［潤side］
和「じゅーん！いこー！」
「いくか！！」
放課後、最寄りの駅を飛び越えてショッピングへ。
和はもちろんゲーム。
俺は服を買いたくてね。
ゲームコーナーには沢山の親子。
子「うわーん！！かって〜！！」
あちらこちらで、こんなやり取り。
最近は親の年齢層高いでしょ？
知ってた？笑
だから、その子ども達の親を見ても兄貴達とは
重ならないけれど…
大「うわっ！これ欲しかったやつだ！！」
大「またゲームかよ！笑」
傍にきた大学生くらいの人達と、兄貴達の姿を
重ねてしまう。
バイト、大学、サークル、就職。
やりたいこと、やること、
やらなきゃいけないこと…
沢山あるんだろうなって。
そんな時期に、俺らの親代わりに
ならざるを得なかった兄貴たち…
その後も、すれ違う親子と大学生の姿を
何度も重ねてしまう。
「なぁ、かず？俺らもさ、我儘言って泣いたり
したよな？」
和「そうだね。後、喧嘩もね。笑」
「だな。」
ほんとに大変だっただろうな…って思うんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
