10.【3】 ページ10
［雅にぃside］
和「やだー、
ぎゃー、やー」
点滴が漏れてしまったとかで
刺し直すことになったけど
和はもうパニックで手がつけられない…
和「ぎゃー、こわいー、ぎゃー」
何度見ても辛くて辛くて…目を背けたくなる
光景に俺らは黙って耐えた。
和「ぎゃー」
刺されてすぐ、また和は意識を飛ばした…
看「終わりましたよ。お兄さん達で
着替えさせますか？」
涙と汗で濡れた顔を看護師さんが
拭きながら俺らに問う。
捲られた布団を見て
和が失禁してしまったことを知る…
極度のストレスと恐怖…
「…もう、やだ…なん、で…」
どうしようもない怒りと悔しさで
涙が溢れてきて止まらない。
俺は床に座り込んで泣いた…
医師と看護師は黙って部屋を出ていく。
智「俺らもちゃんと話そう？
でも、先に着替えさせてやらなきゃね」
翔にぃがお湯を準備して、智にぃが体を
拭いてやってる。
綺麗なパジャマに着替えた和を
智にぃは抱き上げて椅子に座った。
その間に翔にぃがシーツを替えてくれる。
俺はそんな兄達を
ポロポロ泣きながら、ただ黙って見つめてる…
智「ふふ。久しぶりだな、抱っこしたの」
力が脱けてだらんとした手…
智「雅紀？和は和のままだよ？抱っこする？」
黙って首を振ったら、智にぃは「じゃあ、
また今度ね。起きてたら抱っこさせて
くれないから気を付けろよ？笑」って
冗談を言いながら笑った。
翔「智にぃ、寝かせていいよ」
和をベッドに寝かせて、拘束していく兄達。
「…ないで」
翔「ん？なに、雅紀。」
「…ないで。やめて！」
翔「ん？ちょっと落ち着けよ…」
「…落ち着けないよ！なんで、拘束すんの？
やんないで！やんな！やんなよ！」
気が付いたら俺は智にぃに掴みかかってて…
翔「雅紀！」
翔にぃに引っ張られて、尻もちをついた…
智「…ごめんね、かず。雅紀も、ごめん。
でもさ、絶対守るから。」
翔「そうだよ、雅紀。大丈夫だよ。
お前がいつも言ってんだろ？
笑ってるから、幸せがくるんだろ？
笑ってるから楽しくて幸せになるんだろ？」
「ん…ごめん」
智「後悔してもしきれない…
でもさ、俺らが何とかしてやらなきゃ」
翔「そうだね、まずは病院を探そう？
メンタル面の治療に力を入れてる病院」
「それと…潤が和に会える病院ね…？」
智「ふふ。それが第一条件だね。笑」
かず、頼りない兄ちゃんでごめんね。
でも、絶対…俺が和に教えてやるから。
笑ってれば幸せになれるってこと…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 600人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
