5人で生きてゆく…【幼き記憶】 (ページ41)

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41.【薬の時間】ページ41

［潤side］

退院してきた和だけど、
病気が治ったわけでは
ないわけで…

病院の存在をあまり遠ざけない方が
いいからって、にぃ達が週に2.3回は
病院に連れて行って診察や検査を
受けさせてる。

和は毎回、家から大泣き…

それと、もう一つ和が嫌がってるのが薬。

病院だと、きちんと飲まないと先生が
見にきちゃうって思ってたみたいで
嫌々ながらも飲んでたけど。

家だと我儘で駄々っ子…

特に苦手なのは夜の錠剤。

いつも、にぃ達から逃げまわって
追いかけっこしてる…

翔「こら、ソファーのるな！」

智「はい、捕まえたよ～。おいで。」

和「やだ！やだっ！今日は飲めない！」

雅「ほら、ここおいで～」

和「やだ！飲みたくないー」

暴れる和をラグの上に寝せて
薬を飲ませる体制を整えるにぃ達。

翔「どうする？潰す？」

和「やだ！いらない！」

何度聞いても答えにならない事しか言わない…

翔にぃは苦笑いしながら、
いつもの様に潰して持ってくる。

今ね、雅にぃと錠剤の練習中だから。

上手く飲み込める様になったら
きっとこんな苦労しないよね。

智「はい、あーんは？」

和「んーん、やだ…」

抑え込まれたら最終手段。

最近の和は口を開けないということを
覚えたらしい。笑

口をギュッとむすんで目をつぶって
現実から逃げる…

智「すぐ、飲ませてあげるからね。
はい、あーん？」

鼻を摘ままれて無理矢理に開かれた口に
薬を流し込む、にぃ達。

和も腕をあげたけど、にぃ達はもっと
腕をあげた。

だから辛いのも短時間で済む。

翔「ほら、おしまい」

和「…だって、いった。やだ、って
いった、のに…」

翔「ん？上手に飲めたね。泣くなよ…」

飲まされてる途中からポロポロ泣いてた和は
怒ってしゃっくりあげながらも
雅にぃが用意してくれたジュースで
口直しをしている。

薬を飲まされた後は、にぃ達と距離をとる和。

機嫌が直るまで少し時間がかかる…

智「潤、アイス持っていってやって？」

少しして智にぃがアイスをくれたから
ゲームしてた和と一緒に食べる。

和「ここ、押してジャンプ！！きゃは！」

「あ～、失敗した！ここ？」

和「うん、やってやって～」

そうこうしてると、いつの間にか
機嫌が直った和。

雅「かずー？今日は何で練習するー？」

和「んーとね、りんご！！」

雅にぃはラムネとジュースで、和を誘って
錠剤の練習をしてくれている。

早く、飲める様になって
負担が少なくなるといいね。