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［翔にぃside］
智「あ、おかえり」
病室に入ると、ベッドサイドで優しく
笑い掛けてくれる智にぃ。
和はベッドで寝ている…
落ち着かなくて薬を入れられたらしい。
智にぃは俯いたままの潤を見て
そっと手を引いてソファーに座らせた。
智「潤？何か言うことは？」
潤「…」
智「みんなに心配かけたんでしょ？」
潤「…」
智「一人で黙って遠くまで行ったら
駄目でしょ？いけないことだよ？」
潤「…」
智「分かるよね？」
潤「…」
智「潤？」
黙ったまま俯く潤は、今にも泣き出しそうだ…
智「潤の気持ちは分かるよ。でも、やり方は
間違えてる。和も心配してね、ずっと
泣いてたんだよ？」
潤は智にぃの声に顔を上げて和を見ると
ポロポロ泣きだした…
智「分かるよね？」
潤「ん…ん、ん…」
智「泣かなくていいよ。叱ってるわけじゃ
ないからね。」
潤「…めんなさい。ごめん、なさい」
智「うん。辛かったね。でも、潤が
いなくなったって考えたら、もっと辛いから…
もう無茶なことはしないでね。約束ね？」
潤「…はい」
潤は智にぃに、引っ付いてわんわん泣いた。
今日はよく泣くね。笑
どこからか違う泣き声もしてきた…って
思ったら、ベッドの上で和も泣いていて
雅紀が慰めている。
智「ほら、潤。和に顔見せてやって？」
潤は智にぃに抱えて立たせてもらうと
和のベッドまで歩いていった。
潤「…かず、ごめんね。」
和「…んーん、おか、えり…」
潤「これ、みんなから…もらった…」
和「…りがと、じゅん」
この2人に言葉はいらないみたいだ…
和は潤の顔を見て、すっかり落ち着いたし
潤もスッキリした顔で笑っている。
雅「和も潤もよかったね〜」
潤「…さにぃ、泣いてたよ？」
和「…え？なに？」
潤「だからね、お墓で雅にぃが…あ、いて！」
雅「バカ！余計なことしゃべんな！！」
意外なとこで秘密を暴露されそうになり、
慌てて潤の頭を叩いた雅紀。笑
潤「…たい。翔にぃ、痛かった〜」
「まったくね〜。笑
雅紀は加減てものを知らないんだから。
痛かったよな？」
潤は俺に引っ付いてきて、コクコク頷きながら
「ベー」って雅紀に舌を出した。
雅「おまっ！和みたいな真似しやがって。
後で覚えとけよ！？」
和「潤のこと、いじめないで！！」
雅「あ、いて！！」
色紙で頭を叩かれた雅紀。
この日、病室に初めて全員の笑い声が
響いた。
そして…
和「お家にいるみたい…」
和が嬉しそうに呟いた…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
