15.【2】 ページ15
［智にぃside］
和潤「よろしく
お願いします。」
翌日、2人を連れて学校に挨拶にきた。
校「もうすぐ休み時間だから
教室に案内しますね」
和と潤はずっと楽しそうに笑っている。
学校に通えるのは、とりあえずしばらくは
潤だけ。
そのことも話してあるから、
校長先生は「顔だけでも見せておいた方が
馴染めるから」って2人を転校前に特別に
クラスに入れてくれた。
廊下まで聞こえてくるクラスの子ども達の声。
転校生って、なぜか喜ばれるんだよね。笑
しばらくして、クラスの子ども達と一緒に
教室を出てきた2人は友達に囲まれて
どこかに行ってしまった。
担「お時間大丈夫ですか？
子ども達が学校を案内したいみたいで…」
申し訳なさそうに苦笑いを浮かべる先生。
「大丈夫です。ありがとうございます」
2人が戻ってくるまで、俺も学校内を
ゆっくり見学させてもらった。
和潤「ばいばーい！！」
学校も友達も気に入ったらしい2人は
家に帰ってきてからも
雅紀と翔に嬉しそうに報告していた。
そのお蔭で、なかなか進まなかった
自分の部屋の片付けも張り切ってしてくれて、
すごいスピードで段ボールが片付いた。
だけど、明後日から学校に行けるのは潤だけ。
そのことに、まだ納得できていない和は
「おれも、潤と行く」って
ランドセルに荷物を詰めて用意してる…
翔「和は行かないよ。だめ。」
その後も何度も俺らが言い聞かせたけど
和は「嫌だ」「おれも行く」の一点張り。
結局そのまま、その日を迎えてしまって…
和「おれも行きたい！潤と行きたい！」
玄関で翔にランドセルを取り上げられた和は
地団駄を踏んで怒ってる…
潤「…いってきます」
潤は翔に何度も言い聞かせられているから
和が行けないということを理解してくれた。
だけど、ちょっと元気がなくて
後ろ姿が気になって慌てて追いかけた。
「じゅん？今日は初日だから
校門まで一緒に行こうか。」
トボトボ歩いてた潤はパッと振り向くと
笑って頷いた。
潤「かず、いつ行ける？」
「とりあえず、もう1回だけ入院してから。
でも、元気になれるから心配しなくて
大丈夫だから。ね？」
潤「うん、分かった。俺、和の分も
友達作ってくるから。」
潤はニコッと笑って「和がいつでも仲間に
入れるようにね」って呟いた。
まだ詳しくは聞かされてない潤も
これまでと状況が変わってしまったことは
理解し始めている。
後は和が少しずつでも受け入れてくれるのを
待つしかないかな…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
