体育祭 ページ8
雄英高校体育祭｡
TVでも放送され、かつてのオリンピックに代わる日本のビッグイベント。
活躍した生徒・注目を集めた生徒は今後の進路で有利となるため、業界への個性アピールにも最適の行事となっている。
「うぉ.....歓声すごいですね」
「めっちゃ持ち上げられてんな.....なんか緊張すんな、なぁ爆豪！」
「しねぇよ、ただただアガるわ」
ここで良い印象・成績を残せた生徒はこの行事後の職業体験参加の際、多数の指名が入れられていることが多い。しかし逆に悪い印象を残すと、体育祭の成績がよくても指名が貰えなかったりもする｡
手っ取り早く強くなりたい私にとって、職業体験での指名はかなり重要だ｡失敗は出来ない｡ここ最近爆豪くんに(半ば無理やり)特訓に付き合ってもらって鍛錬を重ねてきた為、結構力はついてきたはず｡
しかし、私がいくら努力しても、一生追いつけない人達だっている。すでにこのクラスで2、3人ほど存在する。
その人たちの踏み台になって終わるのだけは御免である。茨の道はなるべく避け、それで且つできるだけ良い成績を取ろう。
私は、そう心の中で決めた｡
「選手宣誓！」
鞭が空を切る音とともに、声を張って台に立つのは、魅惑的な体のプロヒーローミッドナイトだ｡自分のと比べてみると、その膨らみの差が違いすぎて少し嫌気が差した｡
「こんなヒーローが高校にいていいものか」
「いいっ！！！」
「静かにしなさい！選手代表！」
談義に花を咲かせる男子達を叱咤し、ミッドナイトは1人の生徒を呼び出した。
「爆豪勝己！！」
言われるがまま台に上がったのは、横暴で凶悪な不良、爆豪くんだった。その後、案の定とんでもないことを口にする｡
「せんせー.....俺が1位になる」
『絶対やると思った！！！』
A組含めた周りの全ての人間に宣戦布告とは、爆豪くんらしい｡ブーイングの嵐の中で、さらに彼は煽りを重ねる。
「せめてハネのいい踏み台になってくれ」
ギクッ｡
今さっき私が決心したことをねじ伏せるかのような発言にもの恐ろしさを感じた｡
爆豪くんは1位になる為ならいかなるものでも足場にする男だ｡仮に私と爆豪くんが対峙した場合でも、容赦なく潰しに来るだろう。彼の辞書に『遠慮』という言葉は載っていない｡
しかも彼は個性、センス、反応速度、全ての能力において私を大きく上回る。勝ち目はまずない｡なるべく、爆豪くんと敵対するポジションにはなりたくないな｡
切実にそう思った。
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
