平和の象徴の喪失 ページ30
勝負は一瞬、博打とも言える緑谷くんの作戦に従い、私達は轟くんの巨大な氷を滑り空中へ飛び出した。そして手を伸ばし力の限り、叫んだ。
｢来い！！！｣
その刹那｡爆豪くんは猛烈な爆発を起こし、こちらへ一直線に飛来｡私たちの手を掴んだ。
良かった.....応えてくれた｡
爆豪を救出したことにより戦況が好転｡オールマイトは心置き無く戦えるようになり、勝利した｡
.....自らのヒーロー人生と引き換えに｡
神野事件からここ数日、爆豪くんとの連絡が取れなくなった。いつもなら6時間以内に返してくれるSNSも、5コールで出てくれる電話も、全部繋がらない｡
爆豪くんは前に攫われたばっかりということもあり、いてもたってもいられずに彼の家へ向かった｡不安による胸の動悸を抑えながら、インターホンを押す｡
『はーい、どちら様ですか？』
「えっと、爆豪勝己くんの同級生のAAです｡爆豪くんはいらっしゃいますか？」
『あっ、あなたがAちゃんね！ いつもウチのバカ息子の面倒見てくれてありがとう｡ すぐ呼んでくるから｡ .....勝己ィ！ 部屋篭もってないで出てきなさい！！』
爆豪くんのお母さんらしき人が応対してくれ、彼を呼んできてくれるそう｡良かった、ひとまずは無事らしい。玄関の前でしばらく待っていると、呼ばれた彼はゆっくりとドアを開けた。
「え.....」
やってきた爆豪くんの様子が、なんとなくおかしい｡
目元には隈ができており、どことなく窶れているように思える。
そしてなにより、ナンバーワンのヒーローになる為に向かっていくあの覇気がない｡
「.....んだよ」
爆豪くんは今まで以上に低くしゃがれた声を発した。やっぱり、いつもの爆豪くんじゃない｡
「ここんとこ、音信不通で心配になったので来ました。一体どうしたんですか？ 何だか、すごく元気が無いような.....」
「.....てめぇにゃ関係ねェ｡帰れ」
突き放すような言い方｡いや、それはいつもそうだが、今は毎回言外に込められている『一人で十分だ』という意思が消え失せている気がする。
「関係あります｡爆豪くんが悩んでいると、私も困ります。どうしてそう苦しそうな顔をしているのか話してください」
私は食い下がった。職業体験の帰り道でも言った通り、自分はかなりしつこいのだ｡今、私は爆豪くんを立ち直らせるまで諦めないと決めた。
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
