なりたいもの ページ15
電車に乗っている時やっと1人で立てるようになった私は、爆豪くんの肩を借りて家への通路を歩いていた｡
道の灯りは頭上の街灯のみで薄暗く、不審者でも出そうな雰囲気だ｡しかし、爆豪くんが体力が尽きていてしっかり歩けない私の歩幅に合わせゆっくり進んでくれるお陰で、私の心はほっと安らいでいた。
「.....爆豪くん」
「んだよ」
「今日は、本当にありがとうございました。爆豪くんと戦った後、何だか自分の弱さを少しだけ克服できた気がするんです。」
流れるように素直な言葉が出てくる。
ただならぬ敵意を向けられ、始めは怯えてまともに体も動かせなかった｡しかし、今ではこうして向き合い穏やかに話すまでに至っている｡
「それに、限界突破っていうんでしょうか｡力の制限が前より緩くなったというか.....とにかく強くなれました｡爆豪くんのおかげです」
目覚めたあと個性を少しだけ使ってみたが、使った後の倦怠感が違った。きっと、気持ちの変化で使える体力が増えたのだろう。それもこれも、あの時爆豪くんが叫んでくれたから。
「爆豪くんは本当に損な性格してますね。
普段から優しければ、絶対モテたでしょうに」
「はぁ？ 女蔓延らせて何が楽しいんだよ。
それに1番のヒーローになるのに恋愛なんざいらねぇ」
「んふふ、そうですね｡爆豪くんらしいです」
爆豪くんの夢はトップのヒーローになることだ｡恋だの愛だので道草を食ってる場合ではないだろう｡その信念の強さに、改めて感心した。
私も、そんな強い彼を影から支えられるようなヒーローになれたら＿＿
.....何を考えているんだ｡
身の程知らずな気持ちを落ち着かせる。
私の目標は、お母さん.....カノンだ｡その人の代わりになる為に、ここの高校に来た｡皆の信頼を一身に受け、突き進む孤高のヒーローに｡
それだけは、絶対に揺るがないはずで.....
でも、少しだけ自分の願望も混ぜるなら｡
彼のような、真っ直ぐに進む人を傍で支える縁の下のヒーローに｡
なれたら.....いいな｡
「……A、てめぇ」
「なんですか？」
「……何でもねぇよ」
「？……はい」
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
