意外な付き添い人 ページ13
目覚めると、そこは保健室のベッドの上だった。いつも爆豪くんが特訓の後運んでくれる場所｡辺りはしんとしていて、先程の叫びの絶えないグラウンド内とは大違いである。
「私は.....」
ここに来た経緯を思い出そうと、さっきの戦闘の記憶を甦らせる。
私は爆豪くんの一撃に応戦すべく、最大火力の魔砲弾を放った。その瞬間、いつものように力が抜けて地面に突っ伏してしまったのだ｡その後は覚えていない。おそらく意識が途切れてしまったのだろう｡
今までは、どれだけクタクタになっても意識だけは保っていた｡今回それを初めて失ったことにより、自分の力の限界を思い知ることとなった。
「んぅ.....」
体を起こそうとしたが、ピクリとも動かない。まだまだ回復には時間がかかりそうだ｡
と、そこへ聞き慣れた低い声がした。
「目ェ覚めたんかよ」
「.....爆豪くん？なんで爆豪くんが、体育祭は.....」
「おや、起きたかい。具合はどうさね」
爆豪くんの声と共にカーテンがサッと開けられる。開けられたカーテンからさらにリカバリーガールも顔を覗かせ、体の調子を聞いてきた。
「まだ全然動けなくて.....」
「そうかい｡まぁとりあえず安静にして体休めな」
身をよじろうとしたが、それすらもできない今の状況に軽く苦笑いする｡休むよう優しい口調で言ってくれたリカバリーガールに感謝して、私は爆豪くんに話しかけた。
「爆豪くん、こんな所にいてていいんですか？まだ轟くんとの試合がありますよね」
「.....もう終わった」
「えっそうなんですか！ それで、勝ったんですか？」
「.....」
私は期待を膨らませながらそう問った｡しかし爆豪くんは、何故か苦虫を噛み潰したような表情で黙っている｡
「爆豪は勝って1位だよ｡本人は納得してないみたいだけどね」
「んな試合認めねぇ｡舐めプ野郎が.....」
リカバリーガールは苦笑いしながら爆豪くんに視線を向けた。
舐めプ野郎｡その名前から推測するに、きっと轟くんは左側を使わなかったのだろう。完膚無きまでの1位を目指していた爆豪くんにとって、それは許し難いことなはず｡
「そうですか.....報われませんね」
私は爆豪くんに敗れて決勝に辿り着けなかった。だから、私の分まで爆豪くんにはいい試合をしてもらいたかったのだが｡
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
