No.11 ページ11
＿お前、体調でも悪いのか？
朝のHRを終えて職員室に戻り
自分の席で資料作成の仕事を進めていると、珍しく静かな声で怪訝そうな表情を作る同僚に そう声をかけられた。
「なんだよ急に」
そういえばさっきも教え子たちに
“今日の先生は変だ” と言われたな、なんて思い出しながら答える。
そんなに今日の俺はいつもと違うのか。
「おいおい、わざとじゃねえのかよソレ！？
そこ 俺の机だぜイレイザーヘッド！」
「……あ？」
「ついでに言うとその資料作んの俺の仕事な！むしろサンキュー！」
うるさく重ねられる声に従って自分の手元を見る。
確かにその資料は 自分に課されたモノとは違った。
言われた通り、俺が腰かけている机も同僚であるマイクのもので
俺は無かった事にしよう、と静かに席を立った。
その間もマイクはしつこくからかってくる。
(…どうりでいつもと勝手が違うと思った)
プリントはばら撒くし
同僚の仕事をしてしまうし
自分の席を間違えるし
通常では絶対にする事のないミスばかりが重なり
やっと自分がいつもと違う事に気づいた。
「珍しいわねイレイザーヘッド。何かあった？」
自分の席に座りなおす俺とマイク
その前の机で頬杖をつき、一部始終を見ていたであろうミッドナイトがにやにやとしながら口を挟む。
「好きな人ができたー、とか
告白されたー、とかで調子悪いんだったら私的に超楽しいんだけど」
あぁ、にやにやしている理由はコレか。
いつもなら無視を決め込んでいるのだが
今日はまぁ図星を突かれたモノで、ぴくりと反応してしまった。
「え、嘘でしょアタリ？」
「まじかよオイ！聞いてねーぞ！？」
……あぁ、うるさい。
「そのニヤけ顔やめろうざい」
同僚を一蹴したあと 改めて考える。
こうも自分がおかしい理由は何なのか
(やっぱ、昨日のアレだよな)
小さくため息をついた。
自分より一回り以上も歳下の
しかも生徒である彼女の言動に、ここまで自分が保てなくなるものか、と情けなくなったりもした。
だが、そうまで振り回されるという事はアイツのこと…
(…いや、ナイナイ)
そこまで考えて小さく頭を振った。
(とりあえず、普通科の校舎にはあんま近寄れないな)
卑怯な大人は返事をする事もなく
ただただ 逃げることを無意識に選んだのだ。
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TSUBAKI(プロフ) - なに、最高か (2019年10月9日 10時) (
レス) id: 693e23af59 (このIDを非表示/違反報告)
自分の目の前に天使が舞い降りてほしい 切実に - 人使の切ない心とかがすごく伝わってきてこっちまで悲しくなりました…人使と相澤先生と夢主ちゃんがこれからどうなるのか続きが気になります！更新楽しみに待たせてもらいます！！ (2019年8月14日 2時) (レス) id: da546de98e (このIDを非表示/違反報告)
クマグマ - このお話、すごく好きなので更新楽しみに待たせていただきます！ (2018年3月31日 17時) (レス) id: c478c89726 (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 相澤先生が大好きなので是非とも続きが見たいです！頑張ってください！ (2017年3月14日 23時) (レス) id: bf6acc7bbc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃとー - 相澤先生大好きです。一人ニヤニヤしながら読んでます！更新頑張ってください！ (2017年1月12日 15時) (レス) id: 9ee542576d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紙芝居 | 作成日時：2016年7月5日 1時
