Sho-Renの従妹 (ページ37)

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# ページ37

紫耀side

廉にAがおかしいって起こされてキッチンに来ると、過呼吸になってるAと落ち着かせようとする玄樹がいた。

Aが過呼吸になるなんて今まで無かったし、ここで原因になることが思いつかなくて戸惑ったけど、玄樹に言われて納得した。

ちゃん付けで呼ばれたくない理由…。

　

玄樹とAが名古屋の家で初めて会った日に話してくれた。

　

　

Aは本当のお母さんの職場の忘年会に小さい頃から行ってたらしい。

そこで出会った女の人が原因で。

その女の人はいっつも酔っ払ったような喋り方で、Aのことを『○ーちゃん』と呼ぶ。

Aはこの世で一番この人が嫌い。

大人のくせして自分のことを『△△ちゃん』って呼んでと言ってくる。

ヘビースモーカーで酔っぱらってると見せかけてタバコを腕に押し付けられて火傷させられたこともある。
　

この人が呼んでくる呼び方で他の人にも呼ばれたくない。

お母さんが亡くなってからその人と会うことは無くなったけど『ちゃん』って呼ばれるとこわい。

…そう言ってた。

　

今はその話題は全く出さないから平気なのかなって思ってたけど、そうでも無いのかな…。

さっきまで食器を洗っていたからなのか、袖を捲っていて腕には火傷の跡が残っているのが見える。

　

A「っしょおっ…っはぁっはぁっ…」

苦しそうなAを『大丈夫だよー』って言いながら優しく抱きしめる。

A「っはぁっはぁ…っはな…してっ…っはぁっはぁっはぁ」

抱きしめた瞬間、顔色を変えて俺の腕から抜け出した。

「ごめん…嫌だった…？」