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03届かぬ想いに身を焦がす ページ4

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『‥‥杯戸町のショッピングモール?』

「あぁ、組織が取引していた現場のひとつだ。

赤井を連れてお前もそこに‥‥『嫌』」





『絶対、嫌だから』









その場にいたFBIが、困惑したような顔をする。

無理もない。普段仕事を文句ひとつこぼさずやり遂げるAが、任務を拒んだのだ。

反対に、公安のものたちは、どこか心配そうにAを見つめる。









『私が行かなくたってあんた1人で十分でしょ?

‥‥それとも、余計な気遣いが含まれてるっていうのなら、余計なお世話。

‥‥胸糞悪いこと、思い出させないで』









そう吐きすてると、Aは立ち上がった。

どこに行く、と尋ねる降谷に小さく喫煙室、と呟いた。









「‥‥降谷くん。彼女はどうした?」

「‥‥お前には関係ない。これはこちら側の問題だ」

「今の俺たちも、【そちら側】ではないのかな?」

「‥‥チッ。

‥‥杯戸町のショッピングモールは、あいつにとって最悪の思い出だ。

あいつには、かつて恋人がいた。

俺の親友の1人だった。

だが、ある爆弾事件。奴は自らの命を引き換えに、大勢の命を救うことを選んだ。






‥‥恋人だった、舞原を置いて」









赤井は全てを聞き終わると、そうか、と息をついた。









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『‥‥バカみたいだね、私』









喫煙室。窓を開けてぼんやりと佇むAは、誰に聞かせるわけでもなく淡々と呟いた。









『いつまでも未練がましく、貴方を想ってる』









ねぇ、なんで貴方は私を置いて逝っちゃったのかな。









『‥‥‥ねぇ、どうして?









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__________陣平』









そう言って涙を溢す彼女を、赤井は陰でひっそりと眺めていた。









【そして、今日も君は笑う(泣く)のか】

【過去に囚われたまま、私は今日もあなたを想う】





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04愛してたって報われない→←02紫煙くゆらせ君想う



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リエ(プロフ) - どうしようめちゃくちゃ好き無理大好き、設定も表現もストーリーも最高ですほんっとにマジで (2021年6月14日 21時) (レス) id: 470bfeaa7b (このIDを非表示/違反報告)
宿敵さん - 読み終わった時美しい話だと思いました!!とっても素敵でした!! (2018年2月12日 21時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ2(プロフ) - すごい面白いです (2017年7月1日 13時) (レス) id: bc72a95a3a (このIDを非表示/違反報告)
ホノ☆(プロフ) - ロムさん» ありがとうございます!!その一言がたまらなく嬉しいものです(*^^*) (2017年6月30日 16時) (レス) id: b619beff59 (このIDを非表示/違反報告)
ロム - おおっ!いい作品見つけたぞ〜!ってパソコンの前で言ってしまった私。もはや変人 (2017年6月30日 16時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホノ☆ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年6月25日 9時

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