【ヒプマイ】僧侶の世話役は何故か色んな人から好かれます。

4話 ページ5

sideA

唸っている空却は置いといて。

獄｢こいつは、四十物十四つって｣

わお。名前も独特…

十四｢我は…！｣

A『ユニークな方ですねぇ。』

｢和尚様、失礼します。白銀さんはいらっしゃいますか？｣

はい？

A『どうなされましたか？』

十四｢獄さん、あの人がいいっス…｣

獄｢したら何も変わらねーだろうが。嬢ちゃんはダメ男製造機なんだからよ。｣

心外な。

空却｢う"ー!!!!｣

A『貴方は野良犬ですか。少しは静かにしなさい。』

獄｢それに、嬢ちゃんにつけばつくほどお前の面倒役との溝は深まるぜ。｣

本当に空却に…？

A『少し、席を外します。』

灼空｢うむ、事が済んだら戻ってくるように。｣

A『はい。』

空却｢う"ー!!｣

A『すぐに戻りますよ。唸らないで良い子にしてて下さいね。』

頭を撫でると唸らないでくれます。

灼空｢問題は空却はAが帰っていくと好き放題になる事だ…｣

十四｢え…｣

A『私は比丘尼ではありませんから。ただのお手伝いですよ。と言っても殆どここで生活してるようなものです。家に帰ったらお風呂に入って就寝して起きたらまたここに来ます。』

十四｢びくに？｣

A『出家している女性の僧侶の事です。』


｢これなんです…｣

A『あらあら。分かりました。掃除しときます。』

―数分後―

あらかた綺麗になりましたね。

A『戻りました。』

空却｢遅せぇよ！｣

あら。口枷が取れた。

A『良い子でしたか？』

空却｢うるせぇ!!｣

何なんですか。

そろそろ夕飯を…

A『空却、動きにくいです。』

前掛け(エプロンのようなものです。)をして僧侶達の晩御飯を作ります。

A『空却。』

私の背中に引っ付いたまま動きません…

A『彼と仲良くして下さいね。』

空却｢あんな奴…！｣

第一印象そんなに悪いんですか？

まあ、個性的というか…

個性的って言ったら空却も負けてないですけど。

A『お味見。』

小皿に移し、空却に渡します。

空却｢ん。｣

味の感想を聞きたいんです。

私は貴方の思考を完全に読み取れるわけじゃないです。

十四｢あの…｣

あら？

十四｢ﾋｨ…！｣

また怯えてる…

A『空却、おやめなさい。どうしました？夕飯なら少しお待ちを…』

十四｢獄さんに手伝って来いと言われて…｣

あらあらまあ！

A『とても嬉しいです！』

空却｢……｣

そして、彼はまた不機嫌になりました。

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