【ヒプマイ】僧侶の世話役は何故か色んな人から好かれます。

24話 ページ25

sideA

肘を床についてブスッと不貞腐れてる空却。

A『そういえば先生が近づいて来た時、何か言ってましたね。なんなんだったんですか？』

空却｢うっせー！ブス！｣

えぇ。

A『先生、昼食は食べて行かれますか？』

獄｢おー。｣

空却｢さっさと帰れよ！｣

なんて事言うんですか。

A『お客様ですよ。』

タスキをまた掛けて、

A『では、私は昼食を作りに行って参ります。』

空却の頭を少しだけ撫でて襖を開けて出ようとすると

ｶﾞｼｯ

足を掴まれました。

A『なんですか。』

空却｢……｣

A『空却。離しなさい。』

空却｢うっせー。｣

なんなんです？

A『私を引き止めたら、昼食に私が携われなくなります。』

空却｢あ？｣

A『つまり、貴方のせいで足止めをくらうと私の手料理をお出し出来なくなります。』

空却は少し躊躇って渋々と私を解放しました。

A『少々お待ち下さい。』


A『今日は冷たい素麺とかどうでしょう。』

｢あー、良いですね。｣

皆で役割を決めて調理を開始します。

野菜を切ってると、

空却｢あ。｣

A『ただでさえ暑い日の暑い場所でくっつくのが分かりませんが。あーん。』

もぐもぐしてどっか行きました。

A『あの人は本当に何したいんでしょう。』


(白銀さんと居たいんだと思います。)

(白銀ちゃん鈍感だからなぁ…)


食べ終わって皆さん御満悦。

食器を片付けてると、

獄｢嬢ちゃん、手伝うことあるかー？｣

先生と十四くんが来ました。

A『いえいえ。無いですよ。お気持ちだけ頂きます。』

十四｢…白銀さんってなんで住み込みじゃないんスか？住み込みの方が楽じゃないんスか？｣

確かにそうですが…

A『両親のお仏壇を帰ってから手入れして、行く前に手を合わせるのが日課ですから。』

十四｢え…｣

A『私、やる事ありますから失礼します。』



あれだけ聞いた両親の声を私は覚えていない。

写真があるから顔は覚えているけど。

A『親不孝者ですよね。』

やっぱり私は人とは違う神経なのでしょうか…

空却｢どこがだよ。｣

ぶっきらぼうに私を慰める。

空却｢毎日手合わせて掃除して墓に花添える奴のどこが親不孝者なんだよ。｣

A『だって…』

空却｢ほら、疲れてんだろ。寝ろよ。｣

強引に寝かせてきた。

貰ったぬいぐるみを抱いて眠る。

空却｢拙僧のもんを泣かせたら地獄に落としてやる…｣

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