【ヒプマイ】僧侶の世話役は何故か色んな人から好かれます。

22話 ページ23

sideA

またお寺に戻っていつも通りの日常。

お寺の裏。

日陰で涼しいこの場所に寝転がって居ます。

A『…』

ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

また親子喧嘩ですか……

空却｢おい！A!!どこ行きやがった！｣

私は貴方の免罪符ではないですよ？

お寺の中を走り回る幼馴染。

灼空｢待たんか！このバカ息子！｣

ピタッと音が止みました。

空却｢…A…居ねぇ……｣

居ます。ここに。

空却｢…今日は寺に居るのに……もう行かねぇって言ったのに…｣

先生の所での研修？はひとまず終了しました。

もう行かないとは言ってないです…

貴方と十四くん次第です。

十四｢あ、Aさ〜ん！｣

アマンダというブタさんを抱えて来た。

灼空｢おい！｣

和尚様のお声と同時に

空却｢…｣

私を抱きしめる空却。

A『今日は何をしたんですか。』

空却｢知らねー。｣

何故。

灼空｢A、そこの馬鹿捕まえたまま来なさい。｣

はーい。



お説教中です。

あ、お腹……

御手洗に行こ。

席を外してつかの間。

また響き渡る足音が2つ。

灼空｢待てぇぇぇい！｣

空却｢待てって言って待つ馬鹿何処に居んだよ！バーカ！｣

はぁぁぁぁ……

灼空｢A〜！バカ息子を連れて来なさい！｣

はぁい…


A『くーこー。』

声を出して寺内をまわる。

A『和尚様がお待ちしてますよー。』

十四｢出てこないんじゃぁ……｣

来ますよ。

A『十四くんは良い人なのに。』

良い意味で感化して欲しいものです。

A『十四くんは優しいですからね。私、好きですよ。そういう殿方。』

十四くんは真っ赤になってしまいました。

A『あらあら…今日は蒸し暑いですから…』

持ち歩いている扇子を出して仰ぐ。

空却は何処へ行ったのでしょうね。


side空却

声が聞こえなくなった。

ったく…拙僧が近づいてやらぁ。

ニコニコと扇子を誰かに向けて仰いでる。

誰だ。

A『初なお人だこと。』

着物の袖で口を隠して上品に笑う。

嫌だ…

拙僧以外にその顔を向けるのが…

A『落ち着きました？』

十四｢は、はいっス。｣

Aが手を伸ばして熱を計ろうとする。

やめろ。

拙僧以外の野郎の面倒を見るな。

A『あ、空却。』

拙僧にだけ手を焼けば良い。

A『和尚様の怒りが酷くなる前に行きましょ。』

細い手で拙僧の手首を握る。

空却｢テメーも来い。｣

A『はいはい。』

お前が触れる野郎は拙僧ただ1人で十分だろ。

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