弓道なんか、大っ嫌い。【二階堂永亮】

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「俺の弓道道具には触るなと言っただろ！！！！！！！」




………あぁ、また弓道、？




妹の私が矢のせいで怪我したっていうのに、また弓道のことを言っているの？

私の怪我より、弓道が大事？

そんなに弓道が好き？私は？





「っ…ごめんなさい、!…お願いだから許し＿＿」



「俺の弓道道具を無断で触って、挙句の果てには怪我？！
…自業自得だな…！」



兄貴に怒鳴られて余計に涙が滲む。

ああ、一刻も早くこの時間が過ぎてほしい。






勝手にしろ、と兄貴は吐き捨て去ってしまった。




頭が真っ白になって、

ただただ虚しくて、



ただ、

去り際の兄貴の目がすごく恐かったことだけ覚えてて、




なにも考えられなかった。

体にぽっかり穴が空いたみたいだった。




頑張ったけど、努力したけど、


所詮この程度だったんだなって。





救急車のサイレンが煩いくらいに鳴り響いて、




ぽつり、ぽつりと雨が降り始めた。



















＿＿＿＿＿この日から、私は兄貴とまともに口をきけていない。




あぁ、悲しいなぁ。







世界でたった1人の兄妹なのに。



なんでこんなに、壁があるんだろう。








私は兄貴のことが大好きなのに。





なんでこんなにうまくいかないんだろうね。

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