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「A図書室にいたの？」
「そうそう。勉強してて〜、黒尾は今日面談だったの？いつもは休みの時走るか筋トレしてなかったっけ。」
「あーー、今日は面談じゃなくて。課題終わってなくてさ〜、明日提出のやつ。Aやった？」
「あ、英語の長文のやつか。昨日ヘトヘトになりながらやったよ…」
「だよなぁ〜まじむずかったあれ…合ってるか分かんねえけどな、ははっ。」
「…黒尾って、スポーツ推薦…だよね？」
「あー、まあな。狙ってるけど…どこから声かかるか、かかるかどうかすら分かんねえからなぁ。
一応勉強もちゃんとしないとね。
…いやぁ、Aはコツコツやっててまじすげえよ。」
「…いや、私なんて…全然成績良くないし、毎日ちょっとしか出来てないし。それに…」
「いやいや。俺もだからそれ！Aだけじゃないよ。
毎日部活終わったら風呂と飯済ませてすぐ寝ちゃうしな〜。」
「え…そうなんだ。まあでも黒尾は選手だからね。健康第一だし、IHも近いから〜…」
言葉を続けようとすると、黒尾にくしゃっと頭を撫でられた。
「も〜Aちゃんは何回言わせるんですかね。
選手もマネも同じバレー部の仲間じゃん。どっちの方が大変とかそんなんないって。」
「え………」
「Aは頑張ってる！
って、みんな思ってるよ。」
黒尾の手は、いつの間にか優しく撫でるような手つきに変わっていた
「…っ、」
「…あれ？A泣きそう？」
「っ泣いてないわっ！このトサカヘッドっ」
そう言って黒尾のお腹をぽすっと殴った。
つもりが、
「っちょ、A危ない！」
小突くだけのつもりが思いのほか体がよろけてしまって、黒尾にもたれかかってしまった。
「も〜Aサン何してるの。」
「ご、ごめん黒尾…。」
黒尾に支えられた肩が熱くて、
伝わってしまわないかと少し焦る。
「てかわりー、ちょっと濡れちゃったな。」
「えっ、いや大丈夫大丈夫。…お礼言うのこっちだし、ありがとね。」
ドキドキとうるさい心臓には無視を決め込んで、黒尾に笑ってみせた。
「…やっぱお前は笑ってる方がいいな。うんうん。
あ、ほら車来るから。」
さりげなく車道側と変わってくれた黒尾に
また胸がうるさく鳴った。
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作者名：すうぎ | 作成日時：2020年3月27日 3時
