【23】 ページ24
「えっ、わっ！ごめんAっ！！
痛かった？！！」
黒尾はそう言って焦って手を離した。
「あ、いや違…
だ、大丈夫痛くないから。」
私の顔を覗き込む黒尾の顔は心配の色でいっぱい。
そうじゃなくて、
私は
さっき黒尾に手を掴まれたときに
少し怖かったけどそれ以上にすごくドキドキして
絶対顔赤くなってて、
そんな私を心配そうに諭す黒尾を見て
不謹慎な自分が恥ずかしくて泣いたんだ。
「ごめん、
心配してるっての分かって欲しくて…でもやり過ぎた。」
黒尾がなんだか小さく見える。
「うん。よく分かったよ、大丈夫。
黒尾こそ、痛くなかった？」
「俺は大丈夫…。」
「そっか！！よかった。
あーー、じゃあ私行くね。冷えてきたし。」
「え、うん。」
上手く笑えてただろうか。
「そだ、パーカーありがとう！
明日返すね。」
「、分かった。おやすみ。」
「はーい、おやすみなさーい。」
やばい。ちょっと不自然だったかな。
でもだってあれ以上話してたら
なんか余計なこと言っちゃいそうで。
黒尾は心配なの？
それって女の子として？
いや、ただのマネージャーか…
なんて、自分で想像してて凹むーーー！
いや、でもうんそうじゃなくて、
ちゃんと気をつけないとね。
何も無いけど、何かあって迷惑がかかるのはチームなんだから。
ガラガラ、と私の部屋に入る。
「これ、着て寝たらキモイかな？」
思わず呟く。
部屋には私1人だけど…
「いや、キモイか。」
枕元にそっと畳んで大人しく寝た。
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作者名：すうぎ | 作成日時：2020年3月27日 3時
