先に行くあなたへ【黒尾鉄朗】 (ページ12)

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「ん～っと、次の通りを右に行ったらあるはず…

あ！あれだ！」

黒尾たちと別れて25分、やっとスポーツショップに着いた。

かなりの大型店舗みたいだ。

サポーター…はどこだろう。

普段はドリンク剤とか湿布に包帯なんかを買うことが多いから、どこにあるのががいまいち分からない。

研磨から預かった破れたサポーターを頼りに、とりあえずバレーボールコーナーへ急ぐ。

「あれ？ここじゃないのかな…定員さんに聞くか…」

そう踵を返そうとした時、後ろから肩をとん、と叩かれた

「なんか探し物？
ね、こまハイスクール? この辺の学校じゃねえよな？」

「え、誰…じゃなくてはい、サポーターを…」

「あ、その手に持ってるやつ？だったら１階にあるはずだよ。

それから、俺は青葉城西高校バレー部の花巻です。」

「えっ！青葉城西？！明後日うちと試合するところだ。」

「えっっ、まじ！あっ、あ～～、俺〈おとこま〉だと思ってたわ！」

「ははっ、よく間違われます。あ、サポーターの場所、教えてくれてありがとうございました。」

「イエイエ。あ、俺も下でテーピング買うから、一緒に行くよ。」

「おぉ、なんと親切な…助かります。」

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サポーターの場所を教えてくれたのは、なんと青葉城西高校の選手の方だった。

加えて駅まで送ってってくれるらしい。

なんか申し訳ないけど…

「おまたせ～！」

「あ、大丈夫です。それに駅まで送って頂けるなんて、ありがとうございます。不慣れな土地なので…」

「いや俺も駅行くから大丈夫大丈夫。
東京から来るってコーチに聞いてたしさ。」

「はい、今回は遠征で…」

「てか！名前聞いてなかったよね。

あ、それと敬語じゃなくて全然いいからね。何年生？」

「志田 A、音駒バレー部マネージャーの3年です。」

「タメじゃん！
志田 Aね～、よろしく志田チャン。」

「あ、はい…じゃなくて、うん！
花巻君！よろしくね。」

花巻君はすごくフランクで面白くて、初めて会ったのに話しやすくてすぐに仲良くなった。

駅までの道のりで

部活のこと、学校のこと…話が尽きなかった。

徹君については、自分からは何も聞けなかったけど、明後日会えるからね。