【ωrωrd】元・世界最重要指名手配犯【男主】

#69 ページ31

エーミールside


戦争が終わってからAさんを見るのは初めてだった。


余りにも静かに横になっているのだから
眠っているだけなのでは無いかと思ってしまう。



思いたくなってしまう。



em「国王の討伐、お見事でした」



私は軍の中で参謀的位置を任せられている。


グルッペンさんや幹部の皆さんの何人かといつも戦術を考え、実行している。



em「今回の作戦は、Aさんが考えたものなんですよね？


作戦の目標が達成出来たようで良かったです」




ですが、

そう言って私は続ける。



em「自分が死ぬ事を前提に作戦を立てるなんて、


参謀失格ですよ」



そう言って肩に手を置く。



em「…貴方が居なくなってしまったら、皆悲しみますからね。

私も例外では無いです」





頬に温かいものが伝う。




em「すみません…」




自分よりも彼の方がずっと今辛い筈なのに、


泣かない彼を傍目に泣いてしまった。




情けない。



em「Aさん…起きたら今回の作戦の講評をしてあげます。

そして、次にこのような機会があったら、貴方が死ななくても良いような作戦をご一緒に考えて差し上げます」



自分の命を大切にしなかったこと、叱ってあげます。







はやく、良くなって私とお話しましょう。



もっと貴方とお話がしたいです。







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