短編小説 /私だけの、貴方/ ページ27
――――『太腿にキス』
白い素足がゆっくりと組みかえられる。
漆黒のワンピ―スから伸びる、滑らかで美しい四肢。赤い唇、零れ落ちそうな瞳。
つんと高い鼻、絹の様な長い髪。誰に見せても、”美人”だと言わせられる容姿。
「ねぇ、今、どんな気分？」
鈴の鳴るような声で問い掛ける彼女。
視線の先には、皮膚が裂け、血が滴る傷だらけの彼。
「答えてよ、ねぇ」
彼はただ、彼女の吸い込まれそうな瞳を睨みつける。
「ふぅん、」
その行動に、彼女は気に入らなそうに息を吐き出した。
「まだ、そんな眼をするの？」
「………」
「私に向かって、まだ、そんな態度をとるの？って聞いてるんだけれど」
嗚呼、誰が想像できるだろうか。
こんな可憐な少女が、こんな残酷なことをしているだなんて。
たった一人の男を手に入れたいがために、こんなことをしているだなんて。
「……君は、狂っているんだな」
痛みに顔を顰めながら、初めて彼が口を開いた。
「”狂ってる”？」
彼女はその言葉を確かめるように繰り返し、笑った。
「あははッ、ありがと。褒め言葉だわ」
部屋の隅に置かれた箱に歩み寄る彼女。蓋を開けると、様々な拷問道具の数々がちらりと見えた。
ヒッ、と彼の喉が鳴る。
「分かった！分かった、分かったから、お願いだ、止めてくれ！」
その怯えた表情を見ただけで、彼がどれほどの苦痛を受けたのかは容易に想像できただろう。
「ふふ、そうよ、それでいいの」
彼女は満足そうに笑う。
「貴方みたいな男、私にしか釣り合わないわ」
恐らく美女にしか発することすら許されないような台詞を吐きながら、愛おしそうに彼の血に塗れた傷口に触れる。
肩から腕へと。腕から腹へと。腹から脚へと。
「可愛い、可愛い私の貴方。私だけの貴方」
そんなことを呟きながら、まだ止まりそうにもない血が流れてくる太腿へと優しく口付ける。
「私だけの、貴方」
「狂ってるのは、貴方も同じでしょう？」
――――『支配』
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
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容姿端麗に生まれ変わり隊(プロフ) - 『頬』と『額』は親しみ感が溢れてていいと思いました(o^−^o) (2019年4月29日 13時) (
レス) id: 26de7c6d79 (このIDを非表示/違反報告)
沖蘭 - ちなみに頬へのキスは海外だと挨拶に近いですね。私も海外に住んでいるので親しい人とは頬にキスします。 (2017年2月26日 6時) (レス) id: 63d7861522 (このIDを非表示/違反報告)
沖蘭 - 月が綺麗ですねから来ました！！鼻梁は鼻筋の事ですよ。面白かったです！こんなことをしてくれる彼氏が欲しいです。続編も楽しみにしています！頑張ってくださいね！！ (2017年2月26日 6時) (レス) id: 63d7861522 (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - とりあえず完結しました〜！皆さま本当にお付き合いありがとうございました<(_ _)>近々続編を作るつもりなのでそちらも是非よろしくお願いします！ (2017年2月11日 23時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - のわあああ、意味が意味なのでヤンデレ続きになって申し訳ないです……全然純愛じゃない…キスの格言に相応しくない…… (2017年1月31日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零ーﾚｲー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/
作成日時：2016年8月31日 18時
