短編小説 /この想いは、ずっと/ ページ12
――――『髪にキス』
さらり、と黒髪が風に靡く。
美しいその髪は、眩しいほどにきらきらと太陽の光を反射している。
彼女もまた、そうだった。
美しく、真っ直ぐで、きらきらと輝くような彼女。
ペットは飼い主に似る、なんていうけれど、髪もまたそうなのかもしれない。
彼女の髪は、彼女そのものだ。なんて、将来美容師志望の彼は密かに思う。
「ねえ、聞いてるの？」
彼女は少し怒ったように彼を振り返る。その白い制服から、ふわりと洗剤の良い香りがした。
「聞いてるよ。何回狩っても出ないレアアイテムの話だろ？」
彼女の少し後ろを歩いていた彼は、面倒くさそうに答える。
「なにその返事……絶対面倒くさいとか思ってんでしょ」
「…思ってねえよ」
本当はこうやって一緒に歩けるだけども嬉しいんだけど。なんて、絶対に口には出さない。
「罰として今日は今からお前の家に行きます」
「おい、ちょっと待て、」
「そうです。レアアイテム出るまで狩りに付き合ってもらいます。一狩り行こうぜ！」
「行かねえよ！！」
はあ、と彼はため息をつく。
「ただいまー」
自分の家のように彼の家に上がり込む彼女に、もうなんて突っ込めばいいのかも分からない。
「ねえ、おやつー」
「お前って奴は本当……遠慮ってものをだな…」
彼女はベッドの上へと座り、ゲームを始める。
「ああ――！！出ない！」
毎日のように家に来られると、彼も少し期待したくなる。
もしかするともしかして、彼女も自分のことを、なんて。馬鹿げた期待だ。
「？」
不意に静かになった彼女に視線をやる。
「…………」
彼女はゲーム機を握ったまま寝てしまっていた。
「…ッたくもう……」
彼はベッドに乗ると、その寝顔をぼんやりと見つめる。
それはもう、衝動的に。そして、無意識に。
彼女の唇へと、彼の唇は近づいた。
しかし、寸前でハッと我に帰る。寝込みを押そうなんて最低じゃないか？
彼は顔を離すと、さらりと彼女の髪を手に取る。そして、彼女を起こさないようにその柔らかな髪にそっと口付けた。
「…バッ…カじゃねえの…何やってんだか…」
彼は顔を赤くしながらベッドから降りた。心臓がバクバクと煩く鳴り響く。
―――この感情は、墓まで持っていくつもり。
―――彼女には一生言ってやらない。
―――彼女と一緒にいれるだけで、もう満足だから。
――――『思慕』
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
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容姿端麗に生まれ変わり隊(プロフ) - 『頬』と『額』は親しみ感が溢れてていいと思いました(o^−^o) (2019年4月29日 13時) (
レス) id: 26de7c6d79 (このIDを非表示/違反報告)
沖蘭 - ちなみに頬へのキスは海外だと挨拶に近いですね。私も海外に住んでいるので親しい人とは頬にキスします。 (2017年2月26日 6時) (レス) id: 63d7861522 (このIDを非表示/違反報告)
沖蘭 - 月が綺麗ですねから来ました！！鼻梁は鼻筋の事ですよ。面白かったです！こんなことをしてくれる彼氏が欲しいです。続編も楽しみにしています！頑張ってくださいね！！ (2017年2月26日 6時) (レス) id: 63d7861522 (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - とりあえず完結しました〜！皆さま本当にお付き合いありがとうございました<(_ _)>近々続編を作るつもりなのでそちらも是非よろしくお願いします！ (2017年2月11日 23時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - のわあああ、意味が意味なのでヤンデレ続きになって申し訳ないです……全然純愛じゃない…キスの格言に相応しくない…… (2017年1月31日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零ーﾚｲー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/
作成日時：2016年8月31日 18時
