【鬼滅の刃】おはぎ食ってる場合じゃない

いざってなると弱気になる ページ23

「…」





謎に意気込んで勢いのままここまできたはいいものの…


(一体どうやって接触しよう)


風柱の部屋の前でうんうんと悩むこと数分。一向に答えは出ない

一般隊士が柱と接触なんておそれ多い行為にもほどがある。ましてや任務でも何でもなく私情でとは何事か、と悩んでいる間に肩をポンポンと叩かれた




「は……ぃ゛」





裏返ってしまった語尾
たらりと頬を伝う冷や汗
鬼の形相で私の肩を掴む部屋の主

…命の危機を感じる








実弥(仮)「テメェ…人の部屋の前で何してやがる」

「…まだ何もしてな」

実弥(仮)「そういうことじゃねｴ…何しに来たｯつってんだよｫ！」

「…っ！？」




あまりの形相に押され、不覚ながらにも怯んだ。不覚ながらにも。
兄弟喧嘩でも見たことないような顔…、昔の実弥からは想像できない。
やっぱり会わないうちに多少変わった所もあるんだ




実弥(仮)「ﾁｯその面見てｯとイラつくっつったよなァ？さっさと俺の前から失せろ」

「…








それ」

実弥(仮)「…あ゛？」

「それです。私の顔がイラつくっていう理由」

実弥(仮)「あ゛ぁ？」





薄暗い廊下、二人佇む年頃の男女。
端から見れば逢い引きに見えなくもない状況だが生憎私たちの間に漂うのは殺伐とした空気。ロマンの欠片もない
その空気を生み出すは私の兄弟(仮)だ。
私今から殺されるんか？





(理由聞いただけでそんなキレるとは)




何か言わなくては、とテンパッて出した答えだったが、理由を聞いて怒っているのか、私自信を気に入らなくて怒っているのか…



いずれにしても



実弥(仮)「理由なんて聞いて意味あんのかァ」




少しでも関われると思えば苦じゃない。





「訳もわからず顔を見てイラつかれるのは不本意です。
理由くらい知っていてもよくないですか？」

実弥(仮)「…ナメてんのかテメェ」

「！？なんでそうなるんですか」

実弥(仮)「…その面見てｯとろくなこと思い出さねぇんだよ



…これで満足かァ？」




さっさと失せろ、と視線だけで伝わってくる。
部屋の中へと入っていってしまう実弥(仮)に慌てて問う





「覚えて、ないの？」





虚しくも部屋の障子が音をたてて閉められた。





実弥(？)「…







失せろ」







一体私が何をしたっていうんだ

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