2人だけの時間 ページ21
ーーカツン…カツン…
建物の中に響く靴音
ロケ後半の舞台は
前にMステでやらせてもらった歴史博物館
「うーわ…。こんなに広いんだここ…」
あたりを見渡して改めて感動
初めてここに来た日はイベント準備中だったし、当日はお客さんで満員だったからなんとも思わなかったけど
オレ、こんな広いとこで歌ったんだ…(汗)
A「なんでこんなところが貴久のオススメなの？
今日は閉館日なのに…
「だから良いんじゃん♪」
訝しげなAに、オレは笑って返す。
ま、ホントの事言うとね？
Aがあんな目にあったのにあそこでロケ続行は難しいにしても
他に撮影できるとこを探すとなると時間も予算もない
ならスポンサーである大野社長所有の施設をお借りしようということになりまして…
にしてもあんなに快く承諾していただけるなんて
ホントあの人は神様だ…(泣)
それに今日は閉館日だから誰もいないし
いるのは
ドキュメンタリー番組チームのカメラと、雑誌の編集者さんと、うちのスタッフと、知念だけ。
みんな離れた位置から撮影してくれてる
これならAもリラックスできるかなと思ってね
「イベントのときはゆっくり見れなかったからさ。
一度来てみたかったの。
A「そっかぁ…」
握ってくれてるオレの手を両手で包んで歩くAは、やっぱりすごく可愛くて
「ーーあ、見て？あのステージ、一緒に演奏したときのセットのままだね
A「あ、ホントだ。あれ楽しかったなぁ…
「終わった後へたり込んでたじゃんw
A「そんなことないもんっ
「はいはいw
A「貴久、次はあっち見よぉ？
「はいはいw」
そのまま手をぐいぐい引っ張られる
なんかオレ
振り回されてるなw
でも
デートって、こんな感じなんだろな
久しぶりすぎてどんなんだったか覚えてないけど
好きな子と一緒に手を繋いで歩くって、良いよね…
A「ーーこれが仕事じゃなかったらなぁ…」
Aが天井を見上げてポツリと一言
「大丈夫。これはリハーサルだから…♪」
オレの手を包んでくれてる彼女の両手を包み返して
A「…？」
相変わらずキョトン顔の君に
「三年後は堂々とデートしよ？A」
ーーチュ…
オデコに『約束』のキスをした
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作者名：ひまわり | 作成日時：2018年11月23日 17時
