歓談 ページ47
(みんな、優しいなぁ)
不甲斐ないと落ち込んでばかり居たが、そんな事よりも早く元気になる事に集中しよう。
少し気力が湧いたAは、まずは栄養を摂ろうと思いふらつく体をどうにか動かして食堂へと向かう。
「何をしておるのだA！」
「レ、レオ…と、フエゴレオン団長！」
ノゼルが去り、丁度遅めの食事を終えた彼らがそこに居た。
レオはAに声を掛けつつ駆け寄り、その体を支えた。
「あの、ご飯を食べようと思って…。」
「今食べやすい物を作らせている。遅くなってすまなかったな。」
「座れるか？先に飲み物を持ってくる！」
椅子へとAを座らせ、厨房へ行こうとするレオ。
その腕を反射的に掴んでそれを止める。
「自分でやるから大丈夫！」
「気にするな、すぐだ！大人しくしておけ！」
「調子が悪い時くらい甘えておけばいい。動いて悪化すれば長引くぞ？」
どこまでも優しい2人に、不承不承甘える事にする。
飲み物を取りに行ったレオは丁度出来たであろう膳も手にして戻ってくる。
「わ、美味しそう。」
「熱いから気をつけて食べるのだぞ！」
どうやら末っ子のレオは、今までにない[世話を焼く]という事が楽しいらしい。
あれやこれやと嬉しそうに話し掛ける。
そんな弟とAを微笑ましげに見守るフエゴレオン。
見たところ先程部屋に行った時よりは顔色も良く、動ける程にはなってきたらしい。
元々体が弱いわけではないので食事をして睡眠を取れば、すぐにでも回復するだろう。
「兄上から聞いたが、魔法を暴発したらしいな！」
「え！何で言うんですかー…。」
「恥ずかしい事はないぞA！俺も幼い頃に何度か経験がある！誰しも通る道なのだ！」
「レオの時は大変だった…危うく城の一角が燃え落ちて無くなるところだったぞ…。」
だから気にする事はない！と笑いながら話すレオ。
遠い目で回顧しているであろう団長。
…さすが王族、被害規模がやばい。
「熱を出すとな、魔力のコントロールが出来なくなるに加えて思った魔法が使えなくなったりするのだ。予期せぬ事も起こりかねんから、そういう時は何もせずただ回復を待てばよい。」
「…ついでに言えばレオの場合、基礎体温が高かったので誰も熱に気付かなくてな。平時と変わらず鍛錬していたせいで被害も凄かった。」
凄かった、に込められた諸々を感じてつい笑う。
豪快すぎる話を聞いた私は、大分気が楽になりながら食事を終えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます！今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…（笑）私も書いてて楽しいです(*´艸｀*) (2019年4月7日 17時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして！私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ﾉ頑張ります！ (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`･ω･)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋毬 | 作成日時：2019年3月31日 23時
