訪問理由 ページ44
「ーーソリドが？」
昨日与えた任務の報告を聞こうと呼び出せば、不在だという。
行き先を問うと[紅蓮の獅子王団]へ足を向けたらしい。
一体何故。
疑問を抱くと同時に思い出すのは昨日の事。
父の提案に頷き、ならば早速と書簡を送らせた。
恐らくそれを知り飛び出していったのだろう。
(返事は来てない…が……)
概ね予想通りである。
目を掛けている団員をそう安々と手放すとは思わない。
だが、婚約するとなるとこちらも手元に置きたい。
恐らくはどこかで場を設けて話し合いとなるだろう。
一筋縄ではいかないであろう先の事を考え、今から焦れる思いだ。
「ソリド様が戻られました。」
先程、ソリドの行き先を答えた団員がそう告げた。
早朝から乗り込んでいったにしては早い帰還だ。
何か問題でもあったのだろうか。
「呼べ。」
「はっ。」
指示を受けた団員が一旦下がろうとした所へ、当の本人がノックし入室してきた。
「ノゼル兄様！あいつと婚約するというのは本当ですか⁉ 」
「ソリド、報告を先にしろ。」
ぐっ、と言葉を詰まらせるソリド。
当然仕事が先だ。
眼光鋭く睨めつけられれば、口頭で報告をし始める。
報告書は既に提出してあるようだ。
「報告は以上です。」
「あぁ。」
「……婚約の件、本当ですか。」
「…あぁ。」
短く是の意を示す。
何で兄様があんな並程度のヤツと。
忌々しげにそう呟くソリド。
「気に入らぬからといって短絡的に行動するのは控えろソリド。紅蓮から苦情が来んとも限らん。」
「相手と面識があったので…。伏せていたのでほとんど話せず仕舞いでしたが。」
「伏せていた？」
言葉尻で詳細を問えば、どうやら発熱で寝込んだらしい。
忙しない奴だ。
(…見舞うか？)
そんな事、今までした事はないが。
その思いつきは何故か名案に思えて、今日やるべき仕事を脳内でまとめる。
(午後には出れるな。残りは戻ってからで問題ないだろう)
段取りをつけて、早速仕事に取り掛かろうとソリドに下がるよう伝える。
部屋を出ようとしている背に、もう一声掛けた。
「午後は暫く留守にする。何かあれば紅蓮の方まで連絡するように。」
途端に見開かれた目がどこか可笑しく、不思議と気分良く仕事に取り掛かった。
突然の訪問に、きっと驚くだろうその姿を思い描きながら。
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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます！今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…（笑）私も書いてて楽しいです(*´艸｀*) (2019年4月7日 17時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして！私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ﾉ頑張ります！ (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`･ω･)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年3月31日 23時
