大鷲の思惑 ページ28
父上に呼ばれ部屋に行くと何度か聞いたような話をされた。
いつも通り即時に断ろうと話を聞いていたが相手を聞いて思い当たったのは、よくフエゴレオンが連れているAという名の奴だった。
「3日後ですね。」
断るつもりだったが相手を知って受ける事にした。
あまり表情を崩さぬ父上の驚いた顔が強く印象に残っている。
食事とはいえ見合いの体だという事は重々承知しているし、異存はない。
彼女なら家柄目当てという事は無いのを知っている。
加えて本人は中流貴族の出といえど後ろだて…話を持ち込んできたのは古くから付き合いもある上流階級の叔父であるらしい。
何ら不都合が無いではないか。
(いつだったか……)
フエゴレオンが連れていた彼女と初めて対面した時だったか、あの忌々しい異邦人とも遭遇し、その上我らを呼び出したはずの魔法帝が不在という状況があった。
仕方なく通された部屋で待つにあたり、異邦人はいつもながら軽口を叩いてくる。
そんな状況だった。
「はー。熱血真面目大王が女の子連れてるなんてな。なに？真面目返上？職場に彼女連れ？ぷぷ、ヤバくねそれ？」
「え！」
「そんな訳がなかろう馬鹿者が‼ 彼女は最近私の仕事を手伝ってくれておるのだ！今日は任務も入ってなかったので同行させただけだ！」
「なーんだ面白くねぇ。」
チラッと見るとフエゴレオンの横にちょこんと控える彼女。
特別思うところはなかった。
ただ、コイツが認め、任せるほどの人材なのかという点においては意外だった。
「んーで？何で旦那いねぇんだよ。」
時々ある事だ。
あの奔放すぎる方は時々城を飛び出し、行方を眩ませる。
その度に呼び出れたはずの我らはこうして待たねばならん事があったのだ。
「なーなー、おまえ名前なんてーの？ちっちぇーなーちゃんと食わせてもらってる？」
「た、食べてますっ！皆さんが大きいから私が小さく見えるだけで平均ですよ平均っ！」
「はっはっは、そうかー。まぁうちにもチビはいっぱいいるけどな！んで名前は？」
異邦人は初めて見る顔にやたら絡んでいっていた。
まぁ暇なのは私も変わらん。
時々フエゴレオンがツッコミを入れながらも異邦人は懲りずに話しかけている。
あちらに夢中でいつものように私の方まで軽口を言われないのはこれ幸いと、目を閉じ時が経つのを待っていた。
だが、そんな思いも知らず異邦人は彼女を巻き込んで私に絡んでくる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます！今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…（笑）私も書いてて楽しいです(*´艸｀*) (2019年4月7日 17時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして！私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ﾉ頑張ります！ (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`･ω･)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋毬 | 作成日時：2019年3月31日 23時
