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大ちゃんに惹かれたのは
俺にないものを持ってると思ったから
ほら"理由"ちゃんとあるでしょ?
人はこれを"きっかけ"と呼ぶこともあるけど
俺にとっては紛れもなくこれが理由だ
いま自分がスタート位置にいるとして
よーいドンの掛け声で走り出してから
大ちゃんの元へたどり着くのは一体どれくらいだろうか
果たしてゴールはあるのだろうか
そんな自問自答を繰り返しながら
「豚キムチの作り方を教えて欲しい」
という名目で呼び出している大ちゃんが来るのを待つ
この時間がたまらなく好きで
柄にもなく緊張したりなんかしちゃって
女の子への告白の仕方すら
随分前の記憶を呼び起こさないと分からないのに
同性の、メンバーに告白するなんて⋯
馬鹿げてるのかもしれない
でも、もうスタートしてしまってるこの恋を
どういう形になったとしても
きちんとゴールさせてあげたくて
だって俺が諦めちゃったらこの気持ちは
一生誰にも見つからないまま鍵をかけられて
深い海の底へ沈んじゃうんやもん
誰にも言えないものを心に持ってる寂しさを1人で抱え込むことも出来なくはないし、乗りこえたこともあったけど
⋯⋯この気持ちは大切にしたいから。
「流星、お待たせ」
笑顔でそう俺に声をかける大ちゃんに
好きが溢れて仕方ない
「あの、大ちゃん来てもらって早々で悪いんやけど⋯」
この恋がどんな結末でも
ゴールさえさせてくれたらそれでいい
そう思い息を吸う
「ん?なに、」
「俺、大ちゃんのこと好き」
数秒間を開けて返ってきた答えは
「⋯ごめん」
そうバツの悪そうな顔で言う大ちゃん
なのに、やっぱり俺は欲しがりだったよう。
あなたに想いが届いても食べて飲みこんだかは俺にはわからないずっと
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時