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「恭平と寝る、ひとりいや。」
そう言って聞かないから。
大して広くない、というかむしろ狭いシングルベッドに男ふたりが横になった
「流星くん、」
「なに⋯」
布団に潜ってからずっと、流星くんの頭が背中にグリグリと押し付けられている。
寝れない。
ただでさえ、好きな人が隣にいるってだけで理性保つの必死なのに。
「寝れないから⋯ほんの少し離れて、」
そう言うも、ぐりぐりは止まらないし、余計くっつかれてしまった。
さすがにずっとこうされてるわけにもいかないから、冗談混じりで⋯いや、少し本気だったのかも、
「離れないなら、襲うよ」
そうボソリと呟くように言った
これで離れるだろ、
⋯そう思ったのに。
「いいよ。⋯めちゃくちゃにして、もう」
酷く悲しい声だった。
流星くんの身体を下にして、細い体に跨った。
見えた顔は、今にも泣き出しそうで、震えていた
「⋯ムリやわ、バカ」
そんな顔されて、どう襲えっていうんだよ
「やだ、っ⋯して、」
「ぇ、?」
その瞬間、ぽろりと涙が零れた
「めちゃくちゃにしてよっ、⋯めちゃくちゃにして、忘れさせてよっ⋯!」
ぎゅ、と流星くんを上から強く抱き締めた
ぽろぽろ頬を伝う彼の涙は行き場をなくして、ポタポタとシーツの上に落ちていった
「できんよ、⋯」
「っ、なんでっ⋯壊してよ、俺のことっ⋯」
「好き、やから」
強めな口調で、今まで言えずにいた気持ちをぶつけた
流星くんの荒々しい声が、止まる
「⋯へ、」
「好きやから、⋯⋯流星くんが、」
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咲希@skrmc(プロフ) - 50話まで書き切りありがとうございました。更新してくださっている間、とても素敵な時間を過ごせたと思います。度々気になっていた最後の「()」。あれは歌詞だったのですね。また恋香さんの小説が作成され、機会があればまた読ませていただきます。 (2022年5月28日 0時) (レス) @page49 id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
rinu - 純愛でした♥ (2022年4月6日 0時) (レス) @page33 id: d47608d8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋香 | 作成日時:2022年2月15日 16時